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戦略的社内ニートは「やってる感」を追求する
戦略的社内ニートは、「やってる感」に敏感であれ。
この記事は、こんな人にオススメです。
・戦略的に仕事へ取り組もうとしているが、上司が障害になってしまう
・「場当たり的」な上司の考えが理解できない
・会社の「事なかれ主義」にモヤモヤしている
■戦略的社内ニートは、「やってる感」に敏感であれ
以前、戦略的社内ニートは「表面的な問題よりも、根本的な問題に取り組む」という話をしました。
しかし、注意していただきたいのは「実際にどれだけ成果を上げているか」「成果に繋がる取り組み方か」よりも、「どれだけやってる感を醸し出せるか」の方が重要なのです。
具体的に言うと、こういう事。
・「誰も見ていない所で、猛烈に大変な作業している」よりも、
「皆が見ている所で、ちょっと大変そうな作業している」方が評価される
・「最善手だが、実行が遅い」よりも、
「悪手だが、実行が早い」の方が評価される
「マジで?」「おかしいじゃん!」と思う方へ
1)残念ですが、マジです
なぜなら、目に見えないと評価のしようがないからです。
2)残念ですが、おかしくないです
なぜなら、実行しないと成功も失敗もしないからです
極端に言えば、「実際は無駄な取組み」でも、
目立ってさえいれば「アイツなりに頑張ってるんだな」と評価されます。
読んでいる皆さんは、中々納得できないかと思います。
「いや、上司が浅はかすぎる」「ムダが多い、戦略的じゃない」と思うかもしれません。
(私もそうです)
では、何故そうなるのか?歴史に目を向けてみましょう。
■大企業では、「行動していること」が評価されてきた
日本の大企業は、その多くが老舗企業といわれる部類です。
・お茶の間で製品を良く見る調味料メーカー、ビールメーカー
・日本の経済成長を支えた自動車メーカー
これらはいずれも、1800年代後半~1900年代前半に創業されています。
(参考:wiki「日本の老舗企業一覧」)
この頃の日本企業は、いずれも「新しい商品・技術を欧米の先進国から輸入し、模倣する」事で成長してきました。
このトレンドは、つい最近まで続いてきたのです。
・製造業であれば、1970年代の日米貿易摩擦まで
・ITなら、孫正義が1996年に「ヤフー株式会社」を設立した時も
要するに、「早くコピーする」「早く量産する」「日本式にカスタムする」
この3つを徹底できる企業が大きくなってきたのです。
この仕事では、「本当に取り組むべき課題は何か?」「最善の手法は何か?」などと、じっくり考える必要はありません。
兎に角、目の前の分かり切った仕事をガムシャラにやればいいのです。
従って、この100年は「考えるより手を動かす」が評価される時代だったといって良いでしょう。
■あなたの上司も「やってる感」を追求している
前述の通り、あなたの上司も、その上の経営陣も、「考えるより手を動かす人間」という思想の中で成長してきたのです。
従って、表向きは部下に対して「戦略的に・・・」とか、言ってますが、
彼らの頭の中では「考えるより手を動かす」が根を張っています。
これは、マネジメントの問題(≒上司の問題)に近づくほど、如実に姿を現します。
「組織や戦略上の根本的な問題にメスを入れるのは大変なので、
とりあえず出来る事をやって「やってる感」を醸し出したい。」
そんな思考が強まり、次のような言動に現れます。
例1)
本当は組織の体制を見直した方がいいんだろうけど・・・
まずは、イトウも自分一人で頑張ってみたらどうか?
例2)
本当は事業戦略を立て直した方がいいんだろうけど・・・
まずは、営業で何とか売り上げアップを頑張ってみるべきでは?
この思考パターンは、上司とその上の経営陣で共有されています。
従って、例え根本治療を放置していても、「お互い様」として許されます。
具体的には、「やってる感」さえ出していれば、結果が出なくても「今後は改善します」と言って許してもらえるのです。
あなたの上司が追及しているのは、初めから「根本治療」や「高い成果」ではなく、「取り組もうとしている姿勢」「やってる感」をアピールする事なのです。
■時には歩幅を合わせ、「成果」が出なくとも「やってる感」の出る仕事に取り組む
あなたが戦略的であるほど、マネジメントの問題に行きつきます。
そして、あなたが戦略的であるほど、マネジメントの「やってる感問題」に悩まされます。
時には「上司を説得して、マネジメントの根本問題を正そう」と思い立つかもしれません。
・・・しかし、一歩踏みとどまって自問自答してください。
「そのマネジメント問題、上司は本当に解決したいと思っているか?」
「そのマネジメント問題、経営陣は本当に解決したいと思っているか?」
答えがYesなら、ぜひ上司を味方につけて取り組んでみましょう。
多少の苦労はありますが、周囲の協力を得ながら成果を上げられます。
もっとも効率よく評価を得られる事例です。
反対にNoなら撤退し、心を無にして「やってる感」を追求しましょう。
無理に実行すると、「面倒なやつ」「頭の固いやつ」「反抗勢力」と見なされます。良かれと思ってやっても、評価は下がるという事です。
その時、心を無にして取り組むコツは、「TTP」と「TTT」です。
■楽して「やってる感」を出すコツ:TTPで、TTT
「TTP?TTT?意味が分からない」という方、おっしゃる通りです。
これから説明いたします。
TTP:徹底的にパクる (TeTteitekiniーPakuru)
TTT:徹底的に手を抜く (TeTteitekiniーTewonuku)
TTPでTTT:徹底的にパクって、徹底的に手を抜く
要するに、
・自分で一から考える事を止め
・他のお手本をパクる事によって
・仕事の手を抜きながら、やってる感を出す
というアプローチをとりましょう。
(注意点)
「中身が厳密に正しいか?」
「本当に問うべき論点を盛り込めているか?」
などは、一切考えなくて良いです。
社内で浸透しているフレームで説明する事で、
「なんとなく正しそうだ」という印象さえ持ってもらえれば良いのです。
仮に間違いや、ヌケモレを指摘されたら、
「ご指摘ありがとうございます。次回までに修正します」とでも言いましょう。
そして、「次回」の日時を曖昧にするか、先延ばししておきましょう。
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■終わりに
今回は「やってる感の追求」についてご説明しました。
戦略的なポイントは2つです。
①上司と無駄な戦いはしない②成果の上がらない仕事に、無駄な手間をかけない
本来は文中で挙げたような「マネジメント面の問題」を改善した方が、事業としてはプラスです。
しかし、それが求められていない場面も往々にしてあります。
加えて「戦略的社内ニート」の目的に立ち返ると、
飽くまで「可処分時間を最大化する」事にありますので、
正しい事よりも、揉め事を避ける事を優先しましょう。
最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございます。
途中まで読んでくださった方も、ありがとうございます。
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イトウ@戦略的社内ニート