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2024年は石徹白洋品店にとってどんな1年だったのか。
noteへの投稿が滞って何ヶ月・・・書くのが好きな私ですが、昨年11月からの「婦人の友」への連載が始まって、1月に1本、記事を書くことに追われ、他のメディアが疎かになっていました。(連載自体はとてもいい経験をさせていただきました!これが先に繋がるといいな!)私にとって「書くことは癒し」ですが、さすがにオーバーワーク気味でなかなか癒し領域にならず、、、という言い訳から、2024年の振り返りが始まります。。。
今年1年、どんなことがあったのか。2024年を振り返っておかないと、まずは前に進めない気がしています。なぜか。それは、来年も盛りだくさんな1年になりそうだからです(ドキドキワクワク)。
振り返り前置き
今年は長男が6年生になり、四男が3歳に。子供たちがずいぶん大人に(大きく)なってきたので、私自身がこれまで以上に動けるようになりました。今までは、やはり一番小さい人を中心に全てが回っていたので、思うように走り回れない時期が続いてきました。(13年!?)
子供ペースで自分自身も動くことが当たり前。つまり、石徹白洋品店を始めてからずっと、私はぼちぼちしか動けない状態だったのです。それでも周りのみんなに頼りに頼ってなんとかここまでやってきた、という感じだったのが、今年はなんだかちょっと違う・・・
「お母ちゃん、ちょっと事務所行ってくるからね、R(四男)も見ててね」なんて長男に言ったら「わかったわかった」と了解してくれて、私が自由になれる時間が出てきた。なんだか奇跡的!って思ってしまうほどの出来事が起き始めたのです。
このことが、2024年はちょっと違うふうになってきた、と思う一番大きな原因なのでは・・・と思っています。
すなわち、「これをやりたい」、「あれをやろう」、「こうしてみよう」、と思うことを、今までは「時間が取れない」、「子供にご飯が作れない」、「夜8時には一緒に就寝しなければ」・・・などということによって諦めてきました。けれど、(100%ではないけど)今年は全てを諦める必要もなく、プラスアルファでやってみたい!と思うことに着手することができ始めているわけです。
だからか・・・私の多動っぷりが発揮されたような、やりたいことにとにかく手を出してみる、そんな1年だったように思います。それによって少々混乱している自分もいますが、私の元来の性質を抑えなければならない状況ではない、ということが自分にとってストレスやジレンマのない1年でした。
ということで、振り返ってみると、たくさんの新しいことがありました。これらは私一人で始めたわけではなく、当然、仲間のみんながいてこそ!のことばかりです。改めて、今年も一緒に走ってくれた仲間に感謝しかありません!
何があったか月毎にざっと振り返ると・・・
1月・「かるさんの作り方」リリース
2月・九州進出(長崎POPUP)
3月・DIALOGUE出展
4月・デザイナー復帰(三男が小学校入学)
6月・ててて商談会初出展
7月・LINE公式スタート
8月・イギリス「ウィリアムモリスギャラリー」でデモンストレーション
9月・第1回 認定講師ギャザリングを開催
10月・インターン生、長期滞在へ
11月・宿プロジェクト本格スタート
12月・九州展示会(福岡・久留米)
12月・Instagram フォロワー1.5万人!(年始め、5670人から激増!)
これに書ききれないWSの開催、そして夏場には藍染作業とインターン生の受け入れ、春と秋には草木染めの作業もスタッフみんなでやっています。
一つずつ見ていきたいと思います。
「かるさんの作り方」リリース
当店の人気商品の一つが「作り方」の本。今回5冊目の制作でした。「かるさん」はかつて、とあるお婆さんが開発したものでしたが、そのままの作りだとハギレが少し出てしまう作りだったので、ハギレが全く出ないように改良し、作り方を制作しました。おかげさまでこちらの本も大人気に。たくさんの方に作っていただいています。
九州初進出
DIALOGUEという京都での展示会で出会った長崎のお店オーナーさん。わざわざ石徹白まで赴いてくださいました。そして、POPUPが決定!私たちも長崎まで行ってみました。長崎観光のご案内もしていただき、美味しいちゃんぽんもいただき、長崎LOVEになりました。本州以外では初めてのPOPUPでドキドキワクワク。これからも続いていくと嬉しいなと思います。
DIALOGUE出展
今年は2回目の出展でした。出展者と主催者がわちゃわちゃと協力しあって行いますが、文化祭のような雰囲気。ホテル1棟を貸し切って、1部屋に1ブランド。世界観をしっかり伝えられる貴重な場です。ここへの参加をきっかけにPOPUPや卸売など何件か繋がりましたし、ものづくり仲間も増えてとても良い機会をいただきました。スタートアップのものづくりの皆さんにはとてもおすすめの展示会です。(ちょっと体力は必要ですが、、、)
デザイナー復帰(三男が小学校入学)
産休育休で1年半ほどお休みしていたデザイナー(&講師)のまなちゃんが復帰。彼女が戻ってくることを前提に、デザイナーを雇用していなかったので、私が彼女の仕事を繋いでいました。だから、彼女が戻ってきてくれて本当にありがたく!(じっくり、かつ専門的な仕事をする時間を取るってとっても大変だった!)しかも、4月からはあんなにおぼこかった(今もだけど)三男が小学生になり、手が離れました。4月は記念すべき月になりました!
ててて商談会初出展
私たちのような高価格帯アパレルブランドにとって、ててて商談会の出展は見合うのかどうか、と迷っての出展でした。けれど、そろそろ自力以外でのPOPUPや卸売開拓をしていこうということでチャレンジ。DIALOGUEとともにやはり展示会って労力はものすごい・・・のですが、成果はしっかりとありました。全国どこからでもバイヤーさんがやってくるという意味では、やはり知名度も都心での開催ということで立地も素晴らしい。DIALOGUEほど広々としていなく世界観を伝えにくいというのはありますが、出る意味はとても大きかったです。
LINE公式スタート
これは、私自身は懐疑的でした。というのは・・・私がLINEをほぼ使わないから・・・でもお客様との接点を増やしたいという思いがあり始めることに。人数を増やすというより、お客様とのつながりを強くするという意味では非常に役に立っています。特に、服を作りたい方からの質問をクイックにお返事できるということがメリットで、今後、ファンを増やしていくには欠かせないツールになりそうです。
イギリス「ウィリアムモリスギャラリー」でデモンストレーション
今年の3月から9月まで、「MINGEI」というタイトルの展示をこちらで開催されていました。詳しくは割愛しますが(また後日noteにまとめたい)、私たちは”第3世代”として紹介いただき、たつけの裁断のデモンストレーションをやらせていただくことに。初の海外。しかもロンドン。25名ほどの方が集まり、私の手元に視線が集まりました。2012年の創業当時から行ってきた、日本の素晴らしい直線裁断の技術「たつけ」を世界へ!の第一歩が踏み出せた大きな機会でした!
第1回 認定講師ギャザリングを開催
石徹白洋品店にとってもはや欠かせない存在、「たつけワークショップ認定講師」は、今や15人になりました。全国各地で、たつけを広める活動をしてくださっています。そんなメンバーが一同に介して、たつけのことなどを話し合い、また、石徹白の自然を味わう1泊2日のギャザリングを行いました。こんな小さな山奥から、全国にたつけ愛を持つ仲間ができて、感無量です。来年も認定講師が増えていくと嬉しいです。何より、心強いです。
インターン生、長期滞在へ
今年4月から藍染を中心に学びにきてくれたりょうくん。藍染が終わったら戻ってしまうと思いきや「冬も見てみたい」と、検品のアルバイトとスキー場のアルバイトを組み合わせて長期滞在に至ります。彼のこれからの人生を考える上での有意義な時間になるといいなと思っています。何より、私たちの仕事をたくさんサポートしてくれて、もはやいなくてはならない存在に・・・いつまでもここにいてね!と私は言いたい!
宿プロジェクト本格スタート
服の制作・販売に加えて、宿事業を一つの柱にしたいと去年から構想を始めていました。ことごとく補助金の審査に落ちましたが、自費(クラファンや借入)前提で実施することに腹を括りました。着手する家は築150年以上の石徹白らしい間取りが残っている建物です。石徹白の暮らしを残していくためには欠かせない建物だと思っています。ここで宿をやることを皮切りに、過疎化が進む石徹白集落の形をまずは残していきたい。きっとそのプロセスに私にとっても大きな学びがあって、それを契機に次の世代に伝えていける何かが出てくるはずです。
九州展示会(福岡・久留米)
初めての九州展示会。繋いでくれたのは久留米絣で服を作っているIKILUCAの小倉知子さん。石徹白でいただいた一枚の久留米絣のハッピがあって、私はいつか久留米に行きたいとずっと思っていたのですが、それが叶う日がやってきたのです。久留米絣の織元さんにも行き、歴史を学び、また、地域のことも教えてもらいました。お話し会をして久留米周辺の方達とも交流ができ、本当に学び多い展示会でした。久留米が、九州が大好きになったので、またぜひお邪魔したいと思っています。全てのつながりに心から感謝しております。
Instagram フォロワー1.5万人!
これは、広報担当として動いてきたゆかちゃんとあきひでさん、そしてアドバイザーとして入ってくださったなるみさんとの頑張りによって実現したことでした。リール動画の作成からストーリーズの頻繁の投稿、日々のフィードの投稿・・・やることがたくさんですがルーティン化したらものすごい大変!ということもなく。動画撮影なんかは、いつもキャッキャ笑いながらできて楽しい時間でした。仕事は楽しく!そんなことが実現できました。
締めくくり
もっともっとたくさんいろんなことがあって、月毎でのまとめじゃないことでも書きたいこと満載ですが、長くなり過ぎてきたので、今日はこのあたりで・・・
おかげさまでたくさんの人に私たちのことを知ってもらえる一年となりました。インスタやLINE, facebookやメルマガ、多種多様なメディアなどを通じて知ってくださった皆様、本当にありがとうございました!
小さな山間集落・石徹白。人口200人もいなくて、小学生は12人。だけれど、ぎゅっと固まって楽しく豊かに生活しています。
ここでの暮らしが、ここで繋がれてきた文化や歴史や精神をベースに、これからも続いていくように、そして続いていくもの自体が、日本全体の人にとって、ひいては世界全体の幸せにとって、大切なエッセンスとなっていけるように、愉快に、笑いながら、やり続けていきたいと思っています。
今年1年、お付き合いいただきました皆様、本当にありがとうございました。来年もどうぞどうぞよろしくお願いいたします。
2025年、良いお年をお迎えください。