ボタンが取れたら「なお」して着る
もうすぐ2歳になる息子。アンパンマンが大好きで、最近やっと「バイキンマン」も言えるようになった。「ドキンちゃん」はまだ言えないし、「食パンマン」も言えない。「てんてんどんどん♪」は歌えるけど、「天丼マン」は言えない。
そんな息子が今日、取れたコートのボタンを「なお」してほしいと言った。
今年、保育園で初めて本格的な冬の保育を受ける息子のために縫ったウールのコート。ボタンは飾りボタンに大きなスナップにしたので、1歳児でも、脱ぐのは自分でできる。着るのは私がボタンを揃えてあげて、ぱちッとはめる一押しだけ手伝ってもらっている。そんなコートのスナップが、半分とれかけていた。
昨日取れそうなのを出がけに見つけて、コートを着せたまま、目の前で針と糸で簡単に縫ってあげた。流石に着たままでは糸始末もうまくできないし、息子が寝てからまたやり直そう、と、適当にかがっただけのやつ。結局昨日は息子と一緒に私も寝落ちしてしまったので、今日はそのまま着て出かけた。
散々遊んだ帰り道、スーパーに寄ってカートに乗った息子が、またボタンが緩くなってきているのを見て、「なお」と言ったのだ。
私は、こんな小さなひとでも、ボタンが取れたら直せることを知っていて、取れそうになったら直してほしいと言ってくること、すごいと思ったし、嬉しく、誇らしかった。
私がつくったコートを気に入ってくれているようだということももちろん嬉しいけど、服が壊れても直せると知っているということ、それを自然と知ったのか、例えば昨日の応急手当てで教えてあげられたのかはわからないけど、まだ2歳にもならない彼の当たり前がそうであることが、とっても嬉しかった。直せばまた長く着られるし、そういうちょこっとの手間をかけてでも、捨てずに着続けるというのは、私の大事にしたい価値観の一つだから。
きちんと挨拶をしなさい。親切にしてもらったらありがとうと言いなさい。そういう、人として大事なことと並んで、「こわれたら直す」ことが、「穴が空いたら繕う」ことが、これからも彼にとってのあたりまえでありますように。
今夜こそ、ちゃんとボタン「なお」したよ。これ見よがしに、赤い糸にしちゃったけどもね。全部赤くなってもいいから、たくさん着て、たくさん遊んでね。