きみは雨音のなかに
三日月から雫がこぼれ
雨へと変わる
音が音を追いかけていく調べが
この部屋のなかを響き渡って
壁にもたれるわたしの背後をくすぶる
頬杖を伸ばし
過去をそっと折りたたんで
淡い胸の奥へ仕舞う
雨は生命のように
飽和した空気のなかから飛びでて
世界を震わす、鼓動のように
それはまるで雨音のなかに君が居るようで
この部屋とこの身体(なか)を通過しながら
いっしょに溶けてゆくのだ
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