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予備試験論文の発表を受けて〈口述・来年司法試験に向けての過ごし方〉

1 はじめに

受験生の皆様、こんにちは。令和3年度司法試験合格者のT.T.です。10/20(木)、予備試験論文式試験の合格発表がありました。めでたく合格の二文字を掌中に収められた方もいれば、当然ながら、無念にも不合格に終わってしまった方もおられると思います。そこで、今回は、前半では、論文合格者に宛てて口述試験に向けた過ごし方について、後半では、今回残念だった方に宛てて来年の予備試験に向けた過ごし方について、それぞれお話ししたいと思います。

口述試験・来年の予備試験に向けての過ごし方



2 口述試験に向けて

まずは論文式試験を突破された皆様、おめでとうございます。まだ論文合格の余韻に浸っていたいところだとは思いますが、最後の試練たる口述試験が目と鼻の先に迫っています。早急に対策に着手せねばなりません。一般的な口述対策方法については、様々なところで見聞きしておられると思いますので、本項では、私が口述本番までの二週間をどのように過ごしていたかについて述べ、皆様の参考に供したいと思います。
まずはじめの一週間で、私は過去問をすべて解きました。対面で口頭により即座に回答しなければならない試験の形式に対応すること、出題傾向を探ることの二点がその理由です。もちろん、できるだけ本番に近い環境に近づけて過去問を解くと効用が増しますので、同じく口述を受験する友人と問題を出題し合いました。
次に、本番までの二週間を通じて、出題科目の基礎知識の確認に努めました。具体的には、民事実務基礎科目については要件事実、民法、民訴法、民事執行保全法、刑事実務基礎科目については刑法総論、各論、刑事訴訟法、加えて法曹倫理が勉強範囲に当たります。特に要件事実、刑法各論についてはほとんど毎日見直しを行い、法曹倫理については過去の出題において根拠規定をよく問われているように思われたので、毎日、弁護士職務基本規定を素読していました。
試験数日前には、口述模試を受験しました。コロナ禍のために模試はZoomで実施されましたが、より本番に近い環境に身を置く良い機会だったように思います。
以上が、二週間の間に私が行った対策の全てです。参考になれば幸いです。口述試験は予備試験最終合格の最終関門ですから、他の受験生も死に物狂いで合格を勝ち取りに来ます。こちらとしても、しっかりと対策をする必要があるのは当然です。ただ、試験を終えたからこそ言えることだとは思いますが、きちんと試験官とコミュニケーションがとれていればなんとかなるものです。私は刑事実務基礎科目で大きなミスをしてしまったと思い、合格に確信を持てずにいたのですが、蓋を開けてみると、特に危うげもなく合格していました。抜けがないように勉強をするのも大事ですが、同時にあまり気負いすぎないようにすることも重要だと思います。

対面で口頭により即座に回答しなければならない試験の形式に対応する


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3 来年の予備試験に向けて


 来年の予備試験を受験する方々にとっての悩みの一つが、来年の予備試験までのスケジュール設定だと思います。そこで、本項では予備試験の受験までどのように過ごせばよいかを、私の経験を踏まえてお話ししたいと思います。
 実は、私は、はじめて受験した予備試験で論文を突破することができずに終わってしまいました。不合格になった後、まず私は論文対策に注力しました。その際、主にペースメーカーとしての役割を期待して伊藤塾のコンプリート論文答練を受け、以後短答対策に着手するまでは、答練に沿って各科目の勉強をして過ごしました。次に、短答式試験の2か月前くらいから、短答対策に集中し始めました。短答が苦手だという方やまだ過去問を解き終えていない方は、3か月前から対策に着手すると余裕をもって本番を迎えられると思います。

 
以上が、翌年の予備試験の受験までの過ごし方です。また、次の予備試験までいかにモチベーションを保つかということも重要です。たとえば、共に予備試験合格を目指す同志を発見しゼミを組むなどして、モチベーションを保つとよいのではないでしょうか。

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