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「ストーカーレポート」第2話 エラリー・クイーン の悲劇①
小説サイト「NOVEL DAYS」にて、「ストーカーレポート」第2話エラリー・クイーンの悲劇①を更新しました。
よろしければ続きは、小説サイトでご覧ください。
今回の話は、けっこう長くなります。
書き出しは、こんな具合です。
フィッシュマンズの佐藤伸治。テクノのアンドリュー・ウェザオール。R&Bのアリーヤ。いかりや長介。坂本龍一。高橋幸宏。
好きな人が、次つぎと死んでいった。そしてこれからも死んでいくだろう。
死んでしまった人々が、私の脳裏に生々しくよみがえる。
まるで現在も生きているように。
私には、友だちや、知り合いがいない。だからフィクションを親友として育ってきたのだ。私は本を読むことや音楽を聴くこと、映画を観ることが好きだ。
私に足りないのはいったい何か?
この質問に対して明快な解答を出す映画がある。その映画のワンシーンで、人間の限界に挑むため宇宙へ飛び出そうとする宇宙飛行士に、新聞記者がどうしてそんな危険なことに挑戦するのか、と質問するのだ。
その宇宙飛行士はこうこたえる。「冒険心だ」と。冒険心。
私にはないものだ。
美しい女に惹かれる。目にした瞬間に、まぶしい思いがして真夏の青空を見たように目を細める。
私は女が好きだ。若くても年を取っていても。
嘘ではない。また、わざと虚勢を張っているわけでもない。しかも、私は一筋である。浮気はしない。それぞれに独特の持ち味があるからである。死に方に。
私は独特の臭覚を持っている。私がかかわると、死人が出る。百パーセント、完璧に。
属性。そう、そういう属性なのだ。
私はベテランのストーカーだ。しかもプロの。どんな複雑な鍵がかかったドアであっても、私に開錠できない鍵はない。ベテランといわれるゆえんである。
しかもばれて通報されたことは、かつて一度としてないのだ。
危険な人物。私は、それを充分に自覚している。
いままでたくさんの美しい女をストーカーしてきた。
複雑で、理不尽な事情があり、私はプロのストーカーとして成長したのだ。
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