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人間は、そこそこ生きていると、いままで自分がたくさんの選択肢の中で、選んできたことに対して、答え合わせをする瞬間、伏線を回収したと感じる瞬間が、しばしばおとずれる

 アマゾンのレヴュー等で、「アラフォー女子の厄災」の感想をいただきました。ありがとうございました。
 掲載させていただきます。
 よろしくお願いいたします。

 みらいさん

 アラフォー女子の主人公3人は派遣OLである。
 現在アラフォーのわたしも派遣社員だった経験がある。
 当時は、本当に就職氷河期だった。
 シンデレラエクスプレスのCMは、牧瀬里穂版が印象に残っている。
 もちろん作中にちらりと出てくる大江千里もリアルタイムでみていたし、
大江千里に似た(似せていた)先輩は、当時とてもモテていた。
 その時代を生きていたわたしは、そんなに仲良くなかったクラスメイトの、その後の姿をみているような気持ちで、この話を読み進めた。
 人間は、そこそこ生きていると、いままで自分がたくさんの選択肢の中で、選んできたことに対して、答え合わせをする瞬間、伏線を回収したと感じる瞬間が、しばしばおとずれる。
 小説の中で、痛めつけられ、失望しながらも、前を向いて立ち向かっていく彼女たちに、最後はあたたかい気持ちになれたし、強く励まされた。
 アラフォーになったいま、この3人と同窓会で会ったら、仲良くなれそうな気がする。
 あっという間に読め、面白くて、せつない(ここが大事)小説だった。
 他の2つの小説も面白かった。
 表紙や裏表紙の絵もよい。

 〇月〇日

「山口メンバーが書類送検された」
 妻くんからLINEがきた。仕事からの帰宅途中のことだった。
 山口メンバーって何? 山口といえば、「生ける屍の死」「奇偶」を書いた、山口雅也さんしか思い出せない。山之口貘さんという詩人なら知っているが。
 そう返事を書いて送ると、
「山口くんだよ。TOKIOの」
 ふうん。
「で、どうした?」
「自宅で、女子高生にチューを迫った」
「へえ。で」
「山口メンバーが書類送検されたせいで、過去のジャニーズ事件が蒸し返されて、つよぽんや吾郎ちゃんの名前が、Twitterのキーワード・ランキングに急上昇。困る」
 妻くんは、なんだかんだで、元スマップの心配をしているのだった。

 〇月〇日

 川端康成「山の音」(新潮文庫)を読む。

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緒 真坂 itoguchi masaka
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