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ソニック・ユース「ソニック・ナース」
ソニック・ユース「ソニック・ナース」
私の新作「妻くんといっしょ」で、最初に載っている小説は「タイガー・タイガー」である。グランジが流行っていた1990年代を舞台にしている。そこで出てくる音楽が、ニルヴァーナやパール・ジャム、ソニック・ユース。
ソニックユースの1990年代といえば、メジャーデビューアルバム「GOO」だが、ここでは「ソニックナース」(2004)を。03年2月3日/平和/平和/攻撃/早い時間/抗議の口笛/口笛で地球に知らせる/と歌う「ピースアタック」が入っている。
偉大な
偉大なアンチ憎悪のこと
春は戦争の季節
犯罪のボスにすべての目が注がれる
エレクトリック・ギターの弦
勇気が花開く
(訳:沼崎敦子)
ニルヴァーナやパール・ジャムが大好きな十代後半の女の子がいた。女の子にロックスターとしてのカリスマ性はない。音楽好きの平凡な女の子だったが、ソニック・ユースが好きな男の子と出会って、バンドを結成した。
バンド名はタイガー・タイガー。二人が好きだった小説からバンド名を取った。小説の原題はTiger! Tiger! !が付いているが、主に単語のリズム感の観点から!を省いた。他意はない。
女の子は男の子に対して好意を抱いていたが、強い恋愛感情はなかった。男の子も同様である。音楽に限らず、興味の対象の方向性が似ていた。話をしていても、おたがいのこまかいところまでわかってしまうのである。女の子はボーカルで、男の子はギター。二人ではバンドはできない。音楽雑誌でベースとドラムを募集した。折しも世界はグランジブーム。そして日本は第二次バンドブームの余韻が残る時代だった。
緒真坂「タイガー・タイガー」
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