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終わりなき日常をゆるやかに生きながらも、皮膚感覚的にひりひりする時代だった
岡崎京子という漫画家さんは、私にとっては圧倒的な存在であり、私が書く小説は、岡崎さんの下手くそなコピーではないかと思われるほどである。
「ジオラマボーイ パノラマガール」で初めて岡崎さんを発見した。それ以降、岡崎京子と名前が付く書籍は、すべて読み漁ってきた。
特に「ピンク」、「リバーズ・エッジ」などの作品は、感動の嵐で、私を徹底的に打ちのめした。
「リバーズ・エッジ」が描かれたのは、フリッパーズ・ギターが解散し、コーネリアスがシングル「THE SUN IS MY ENEMY」でデビューしたころである。
終わりなき日常をゆるやかに生きながらも、皮膚感覚的にひりひりする時代だった。
「リバーズ・エッジ」は、閉塞感が深まっていく当時の日本の時代感情を見事に表現した作品だった。
あれから20年以上が過ぎた。
私の岡崎熱は、途切れることなく、続いている。
優れた作家、優れた作品とはそういうものだろう。
*「リバーズ・エッジ」は、二階堂ふみさん主演で、実写映画化されるらしい。不安とともに、楽しみでもある。
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