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ストーカーレポート

 新作を書き始めました。
 「ストーカーレポート」というタイトルで、いくつか書いていこうと思います。
 ネットの小説サイトには表紙やアイコンが必要らしいので、ラノベっぽい表紙にしました。
 中身はいつもの私の小説です。
 昔、文学フリマで、コピーの手作り本を作って売っていましたが、その小説のリライトです。それが第1話で、同じ語り手を使った小説を続けて書いていこうと考えています。
 小説サイトは「NOVEL DAYSです。
 よろしければ続きは、小説サイトでご覧ください。

 書き出しはこんなふうです。

 私はいま、ナツメグのストーカーをしている。彼女はボブヘアにして、端正な顔だちをしている。すらりとして、巨乳だが、セクシーではない。巨乳だからといって、セクシーとは限らない。セクシーではない巨乳だっているのだ。
 私はストーカーだが、キスして抱きしめたいとかセックスしたいとか、そういう欲求はないのだ。
 ナツメグは都内の小さな建築会社のOLで、アパートで、妹と暮らしている。妹は売れないミュージシャンで、バンドを組んでライブハウスで演奏をしているようだ。ギターを弾いている。

 ストーカーして三か月がたった頃、ナツメグにつきあっている男はいない、と私は判断した。それくらいストーカーしていればわかる。
 ナツメグをストーカーしていて、気がついたことがある。私のほかに、ナツメグのストーカーがいたのだ。ナツメグが外出すると、凧のようにするするとあとをつけていく男がいる。ナツメグが視線を感じて後ろをさっと振り返ると、男はぜったいに視界に入らないところにいる。こいつもプロだ。
 私はその男の顔を見たことはない。すれ違う瞬間もある。見ようと思えば見ることができるのだが、自然と視線を伏せてしまう。自分に似ていたら、いやだなと直感的に思うからだ。
 同じ女を好きになる人間は、同じ顔をしているのではないか、と私は怖れるのだ。だが、やがてむしろ興味がわいて、たまらなく見てみたい気もしてきた。

 よろしくお願いいたします。


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緒 真坂 itoguchi masaka
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