
妻くんといっしょ
妻くんの記事をnoteで、けっこうたくさん書いてきた。ここらで一度、まとめてみようと思った。それで過去の記事を読み返している。
記憶にまったく残っていない話もある。その話は、妻くんに聞いても覚えていなかった。でも、書いてあるのだから、そのように妻くんは発言したのだろうと思う。本人も作者も覚えていないけれど。
そんな話をあれこれまとめている。事実には基づいているが、私と妻くんでは微妙に(時には大きく)解釈がちがう。
それらの話は、私が恣意的に文章にテーマをつけている。まったくの客観などありえない。また、私の記憶違いもあるだろうし、デフォルメもある。「こんなことをいっていない」「これは私ではない」と妻くんは、私の選んだ話を読んで、ブタのようにぶーぶーいっている。
これらの話は、事実50パーセント、フィクション(作者の思い込み) 50パーセントぐらいの塩梅で、書かれているくらいの気持ちで思っていただきたい。
たとえば、こんな話である。
ポリタン
「今夜はポリタンにしようか」
と妻くんがいった。
「ポリタンって何?」
と私が尋ねると、
「ナポリタンだよ」
妻くんは得意そうにいった。
あの、勝手に料理の名前を略さないでほしい、と私は思うのである。
あるいは、こんな話。
ペルセウス座流星群を見た
令和二年八月十二日の夜、ペルセウス座流星群の活動がピークを迎えるという。私と妻くんは、夜、外に出ると、路上に立って空を見上げた。空の大部分を厚いカーテンのように雲がおおっている。
数分後、私たちはあきらめた。
妻くんがノートパソコンを持ってきて、私に画面を見せた。
「ネットで、天文台が中継しているよ」
北海道にある天文台からのライブ中継である。さすがにきれいで星座を鮮明に見ることができる。これをリアルというのだろうか。いや、リアルとは呼ばないかもしれないが、リアルタイムであるのはたしかだ。
私たちはパソコンの画面を見つめた。
画面にとどまっている星がミジンコの手足のように微細に動き、すっと流れた。その後、何筋もキラキラと輝きながら落ちていった。
そのうちに眠くなって、私たちは寝た。静かな夜だった。
こんなコントみたいな話(特に「ポリタン」)は読みたくないという人もいるかもしれないが、小説も入っています。本の半分は、ちゃんとした小説です。
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