妻くんの好きな洋楽は…、とあれこれ考えているうちに、妻くんの誕生日は過ぎた

〇月〇日

　時間に余裕があるとき、ピーター・バラカンのラジオ「バラカンビート」を聴いている。
　その番組は、近日開催のおすすめライヴ、イベント、音楽映画の情報などの他に、リスナーからのリクエストが流れる。妻（夫）の誕生日や結婚記念日のメッセージが添えられていることがままある。
　たとえばそれは、妻（夫）の好きな曲、〇〇の「××××」のリクエストをお願いします、と紹介される。
　妻くんの誕生日が近い。
　リクエストを送ろうかと思ったが、妻くんの好きな曲は、スマップである。
　バラカンさんの番組に、スマップがかかるはずはない。
　妻くんの好きな洋楽は…、とあれこれ考えているうちに、妻くんの誕生日は過ぎた。

〇月〇日

　ウディ・アレン監督・脚本・主演による「スコルピオンの恋まじない」を観た。
　これで二度目。イメージ通りのウディ・アレンがイメージ通りのウディ・アレンを演じ、イメージ通りのウディ・アレンの映画に仕上がっている。それでも面白い。
　まるで舞台劇のようなウエルメイド・コメディ。
　ラスト前の、花火のなかのキスシーンは、アレンらしいロマンチック。

　ただし、催眠術にかかっていたとはいえ、実行犯はウディなんだけれど、と思った。