家に置いておくと、盗まれるのではないかと不安で仕方がない
〇月〇日
街を歩く人々の荷物が大きい。リュックサックがパンパンに膨らんでいる。リュックサックではないが、服装を見ると、ぜんぜん旅行ではなさそうなのに、スーツケースをズルズルと引いている人もいる。
何が入っているのだ、というのは余計なお世話だろう。
以前、職場でいつもパンパンのリュックを背負ってくる人がいて、聞いてみたことがあった。
「全財産」
その人はそう返事をしていた。
具体的に尋ねると、貯金通帳などいつも持ち歩いているのだそうだ。
「家に置いておくと、盗まれるのではないかと不安で仕方がない(要旨)」
のようなことを言った。
うっかりリュックサックごとどこかに置き忘れることはないのだろうか。そっちのほうが不安ではないだろうか。それは自分の責任だから、あきらめがつくのかもしれないけれど。
文豪、永井荷風もそちらのタイプで、貯金通帳をいつも持って歩いていたそうだ。うっかり置き忘れて、警察に届けられた。貯金通帳の金額が報道され、大変な金持ちであることが知れ渡った。
金銭目的で、荷風に連絡を取ろうとする人があふれたと何かで読んだことがある。
〇月〇日
新刊小説の推敲をしている。
これで終わった! と思っても、翌日、読み返すと修正箇所が出てくる。その繰り返し。困ったものだ。
ので、刊行が少し遅れます(7月中には出ると思います)
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