小腸がんと私 14
私の病気は「小腸がん」
大動脈リンパと鎖骨と腹膜に転移があり
ステージ4
手術は不可能
薬はない
標準治療も存在しない
代替えの準治療期間は1年=これが余命とのこと
5年生存率6%
10万人に1人の希少がん
普通に毎日生き生きと
仕事をしていた私にとって
到底受け入れられるはずもなく
ここまで書き連ねてきた通り
絶望しか感じられない状態で
今現在も、状況も気持ちも
なにも変わっていません
私は「癌で死ぬ人と死なない人がいるのは
どうしてなんだろう」
と考えることがありました
私自身、急にステージ4から
始まったので
ステージ0とか1の人が
どういう状態なのか?
どうして、治る人がいるの?
癌という病気ひとくくりでしか
考えられてなかったのが
正直な知識でした
でもある朝、急に
「進行の速さなのかな」
と感じた日があり
本当に怖くなりました
ステージ4ということは
0や1の人に比べて
行き止まりが近い、ということかな
と感じていました
私の闘病は4から始まっていて
しかも5年生存率が6%
この事実を知った時
もう完全に死ぬイメージしか
持てなくなりました
妹にこのことを話したら
こう言いました
「お姉ちゃん、サイコロの目は6分の1でしょ?
でも6回振って
全てが1回ずつでるとは限らない
試行回数が少ないと
パーセンテージは正確にはでない
100回か1000回振って
やっと6分の1の確率になる
希少がんだから絶対数が少なくて
試行回数が少ないだけ!
だからそれは正確じゃないよ!
私だって明日分からない
この後すぐに死ぬかもしれない
そういう確率と、同じだと思う!」
希少がんと言うだけで
本当に情報が少なく
まだ希少癌と言われる
他の部分の癌については
まだ「希少がん」として
名前が上がっていることがあります
「希少がんだから」と話が上がっていたり
「希少がんだから」とどこかに同じ人が
ブログを書いていたりします
しかし小腸については
全く、話にも上がらないほど
本当に本当になんの情報もなく
どこの文献を見ても
カケラも載っておらず
話題にもあがらず
書きかけられたまま途中で終わってる
ブログやインスタしか発見することができず
またYouTubeや偉い先生の文献などにも
特に情報を得られる術がなく
もう、自分を諦めるしかないのかな
なんにも分からない
どうして薬がないの
死んで忘れ去られていくだけなのかな
死んで忘れ去られていく人すら少ないから
きっとこの後も薬がでないんだろうな
そうとしか思えない日々を送っていました
偉いお薬の開発者の身内の誰かが
小腸がんになれば変わるのかな
誰か、なってくれないかな…
前向きなイメージが全く持てないまま
その夜も夫とライン電話で話していました
「いいか、もう共存しよう、癌と。
お互い支え合いながらがんばろう。
1人で考えていると負のスパイラルで
小さくなるもんも、ならなくなるぞ。
眠れなくてもいい、横になってるだけでいい。
「考える」ことをやめられないかな?
どうせ、解決できん。堂々巡りやろ?
よい展望があるかもしれん。それを
勝手に潰してるとしたらどうする?
そんなもったいないことしたらあかんぞ!
裕子が1番辛いの、よく分かってる
いま、問題なのは「気持ち」だけ
いま、変えられるのは「気持ち」だけ
自分が変えられるのは
状況じゃない、気持ちだけやぞ!
気持ちだけは変えられる!がんばれ!」
夫はこのようにして
毎晩毎晩、同じことを言ってくれました
何度聞いても数時間でまた闇に戻る
どうしようもない精神状態でしたが
こうして支えてもらいながら
なんとか時を過ごし
まもなく手術の日を迎えます
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