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小腸がんと私⑦

初回の抗がん剤が終わり退院しましたが

その頃の私はもう2ヶ月近く
固形の食事がとれない状態が続いていました

体重は日に日に目減りしていき 
もともとあった52キロから10キロ近く落ち

歩いていても息切れするし
立ちくらみがあったり

またベッドに横になると
肩の骨や腰の骨が布団に当たって痛いほど
筋肉も脂肪も落ちていたし、

思考力も鈍っていて
自分で何かを決めたりすることが
ほとんどできなくなっていました

この時期食べていたものは

バナナを潰したものや
りんごをすり下ろしたもの
じゃがいもの蒸したものや
スープ、ポタージュなど

固形物は全く摂れない状態でした

でも食べることが何より大好きな私は

パンは
ミルクパンがゆにしたり
トマトパンがゆにしたり
フレンチトーストにしたり

ご飯は
鶏肉のだしで雑炊にしたり
チーズでリゾットにしたり
トマトリゾット、コンソメリゾット

おかずには
じゃがいもを蒸して具のないポテトサラダ
さつまいもは潰してハニーマスタードでサラダ
具のないお味噌汁にはお花柄のお麩を入れて

おやつには蒸しパンやカステラ
プリン、ゼリー、アイスなど

色々と工夫して
どうにか食べる楽しみを持つようにしていました


夜はあまり眠れず、仕事も休んでいたため
毎日ぼんやりしながら
思い出したように泣く、の繰り返しでした

そんな中で
やっと、2度目の抗がん剤の日になり
夫と2人で向かいました

私たちが1番心配していたのは
こんなに体重も体力も落ちて
今の状態で抗がん剤をして
身体が持つのかどうか

主治医によると
抗がん剤で腫瘍が少し小さくなって
食べられるようになることを期待しているけど
もしならなかったり、
それより先に
体力が持たなくなってしまった場合は

胃と腸を繋ぐバイパス手術をするしかない
というお話でした

胃と腸を繋ぐバイパス手術は
腫瘍がある小腸を避けるルートを作る手術で
その時の私にとっては
唯一、食べられるようになる方法でした

食べられないことが
あまりにも辛かったため

そのバイパス手術は今すぐできないものか
聞いてみたのですが

お腹を開けることになると
抗がん剤を1ヶ月以上止めなければならず

今の段階で
どちらがいいかは決めかねる、とのこと

とりあえずその日は
予定通り抗がん剤の2回目を受けて
帰ることになりました

帰りに夫が
もう暫くの我慢だよ、と言って
小さなプリンを買ってくれました

いつまで食べられないんだろうな
いつになったら食べられるんだろうな

またポタージュやおかゆの生活が
暫く続きましたが

この時は4月の下旬
このあと、数日でまた激しい嘔吐があり
救急で病院に行き、
そのまま入院になってしまいます

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