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物語に成れなかった言葉たち。
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2019年7月の記事一覧

揺籠

いつだったか、
泣いていたんだって。
それを僕は忘れちゃったんだ。

たぶん、どうでもよかったんだって。
あとから思うのは、カンタンだよな。

あたたかく触れる熱に、
寂しさを覚えたのはいつだったか。
ここにいるよって声を、
焦がれていたんだって。
安心を得たいだけだなんて、
勝手過ぎて笑っちゃうよな。

引いては戻る波打際を、
揺り籠のようにそっと辿るようにさ。
歩けたらよかったんだ

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