二人目問題
私の住む地域には、きょうだいがいる子どもが少なくない。
保育園のクラスでも、同級生が20人いるとしたら
一人っ子は、うちの子をいれても4~5人くらい。
ほとんどの子に、きょうだいがいる。
場所が変われば事情は変わる。
これが、職場になると話は別で、
2人以上育てている人は、60人ほどいる社員の中で2人だけ。
未婚率が高く、子どもがいるほうがマイノリティ。いても一人っ子が多い。
私自身の話でいうと、
私には妹がいて、地元(田舎)では、一人っ子の友達のほうが少なかった。
だからなんとなく、私の中の家族のテンプレートは
子ども2~3人+親2人+おじいちゃんやおばあちゃん…って
出来上がっていたんだなと、子を一人産んで思う。
なぜなら排卵頃になると、私の中の誰かが、呼びかけてくるからだ。
「もう一人、産まなくていいの? もう産めなくなっちゃうよ
いや、もう産めないかもよ~~~」
と。
齢37歳。
生殖機能は個体差が大きいから断定はできないが、
年齢的には妊娠できない可能性のほうが大きい。
それでも、特に排卵期、本能ってすごいなぁと思うのだが
「もう一人産まなくていいの? いいの? いいの?
本当にいいんすか?」と、
私の中の誰かが呼びかけてくる。
この声の主は私以外ありえない。
だが、私の中の誰なんだろう…と考えていたら、
最近、これは私の中の
「家族ってこういうもの」という固定観念
+
子を産みたいという本能的欲求
が入り混じったものだと、感じ始めた。
だから何ってわけではないのだけれど、
どんだけ地元から離れて暮らしていても、
私は今まで生きてきた環境や過ごしてきたところから
逃れられないのだな~と思う。
きょうだいは「いるのが当たり前」、「いないのは寂しい」とか。
当たり前のように思ってしまうもんな。
あと、二人目問題でよく感じるのは
「もう一人欲しくない」という意見が、尊重されにくいということ。
我が家の場合は、夫が自分の時間を大事にしたい人で、
かつ、来年から未経験の仕事にはいっていくこともあり、金銭的にも不安。
子どもを二人持つとなると、自分の時間がさらになくなり
お金も心配なので、一人だけにしたいというのが夫の意見なんだけども、
これを女友達に話したら
「(旦那さんって)ひどい人っすね!」と、言われたことがある。
この話をしたとき、私は子どもがもう1人欲しいけど
夫は乗り気でないという文脈の中で、話したから、
「なんと!(旦那は)ひどい輩!」と、言って、私を慰めてくれたのかもしれないんだけど、このひと言には、なんだかモヤモヤしていて。
私のためを思って、その場のノリで言ってくれたのかもしれないから
真意ではないのだと思うのだけど、
子どもを欲しいと思わない自由もあるし、それも尊重されるべきだと思う。そして、それは「ひどいこと」ではない。
大人なんだから、
子どもを何人も育てられるぐらいの器の広さ、
自分の時間より子どもを優先できる大きな愛 があってほしいとか
パートナーに思ってしまいがちなんだけど
(思っていたこともあるんだけど)
私も、きっと、これらは持ってない。
でも、私も旦那も、息子のことをどうでもいいとは思っていなくて
彼が大好きだし、自分達のことより彼のことに時間や心を使っている。
子が二人いたら、今と同じようには、二人に手はかけられないだろう。
愛情は変わらなくても、物理的にも精神的にも私たちは疲弊するだろう。
結局何が言いたいの? って言うと、
自分も子育てをしていて思うのだが
子ども関係のことって、盲目になりやすいし、「当たり前」ができやすい。
自己犠牲をたくさんしてしまって、全部を注いでしまいやすい。
そして、それが無償の愛とか言われやすい。
実際、無償の愛なんだろう。それは否定しない。
だけど、
「うちの場合は、自分も妻も家族も苦しくなりそうだから、
二人目はいらない」
と言うことも、広義で見たら、家族や自分への愛なんじゃないか…とも思うのです。
3人、2人と育てている友達からは
「産めばなんとかなるよ~!」と、前向きに言われて、
それも真理なんだろうなと思いつつ、
「なんとかならなかったとき、どうする?」と思う自分もいる。
旦那さんの気持ちを尊重したいなと思いつつ、
「君の子なら何人でもほしい!」と言えるのが愛では…?と思ったり
自分の中の家族のテンプレートから
「きっともう産めないよ~」と脅されたり。
おそらくずっと答えは出ないで、「いいのかな? いいよね?」と
ぐるぐると、自分と話しながらのみ込んでいくテーマなんだと思うけど
子ども問題は思い込みも、とらわれも多くて、奥が深いよな…と感じている。