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そもそもなぜ...
皆さんはSNSでどんなアカウントをフォローしていますか。
私のお気に入りはNATIONAL GEOGRAPHICのアカウントです。インパクトのあるタイトルと写真に惹かれて、つい記事を開いてしまいます。
その中で、先日、こんなタイトルが目に入りました。
「そもそもなぜ1日8時間、週5日、週40時間労働が標準的なのか」
あまりに身近な話題にも関わらず、私はこの問いかけに対する答えを知りませんでした。はっとさせられて、気づけば記事を読み進めていました。
労働時間に関する話題と言えば、昨今、企業の週4日勤務制導入の検討や、最大労働時間の低減を求める法案提出など、世界的に働き方を変えるという考え方が拡大しています。
働き方の多様化や、ITの発展による業務の効率化が進んでいることなど、その背景は様々です。
働くすべての人に関係のある話題であり、皆さんも少なからず、興味のあるカテゴリーではないでしょうか。
私自身も、働き方の多様化に関するニュースは日々、目にしています。
それにも関わらず、「そもそもなぜ1日8時間、週5日、週40時間労働が標準的なのか」と問われると、私は今までに調べたこともなかったわけです。
常識的なこと、標準的なこと、法律で定められていること、"みんなが当たり前"と思っていることは、「そもそもなぜ...??」と問いかけることを忘れてしまいがちです。
さて、記事によると、週休2日を大規模に実施した最初の会社が、フォード・モーター社であり、1922年に週5日、週40時間労働、土日休みを導入したことがはじまりなのだそう。それ以前は、長時間労働で休みも不定期であることが労働者にとって"当たり前"でした。
フォードはこの常識を覆し、生産効率を上げて急成長を遂げたため、この労働条件がスタンダードとして普及したそうです。
しかしながら、1日8時間、週5日、週40時間労働というのは、実に100年も前にはじまった制度ということになります。果たしてこの労働条件は現代の働き方に合っているのでしょうか。この記事は、当たり前と思っていた働き方の標準について、考えるきっかけを与えてくれました。
このように、「そもそもなぜ...」という視点は、前提条件や背景に立ち返り、物事を捉えなおすポイントになるのです。
日々の業務でも、前提や背景を知らず、現状に合ったやり方なのかを検討せずに進めていることは、よくあることです。
「この業務は、何のために行っているのか?」「その要求は、だれが指示したものなのか?」
意外に、深く考えずに行っている業務も多いものです。
このような毎日の出来事や自分の周囲で発生していること、自分の考え方や当たり前だと思っていることに対して、
「これってそもそもなぜ...??」と問いかけてみると、新しい視点や視座を得られるはずです。
一度、視野を広げてみると、違う方法や手段が見えてくる可能性があります。
そして、そんな小さな視点の変化が、大きな変革につながっていくのではないでしょうか。
シニアコンサルタント 神山 恵里