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顔も知らない人との繋がりが居場所だったとき。

12月15日。

小学6年生の春、公立の小学校に通っていた私は、仲の良かった友達がお姉ちゃんの影響でipod touchを持ちだしたのがきっかけで、親に買ってくれとお願いしついに手にした。
最初は学校の時間以外で友達と連絡を取りあうことができるのが新鮮ですごく楽しかった。
とはいってもwifiのあるところでしか使えなかったのと、私自身あまりゲームに興味がなかったので誰かとの連絡とYouTubeで動画を見るくらいだった。

学校は新しく来た年配の先生が担任なった。クラスは1番荒れてるクラスになって、周りの友達が「我」が強くて、1人だけ前から仲の良かった子と同じクラスになったけれど、その子といるとリーダー的な子が割って入ってきて私は反抗することもできないし、その子もあっけなく連れられさられてしまう。担任は新しいからと、男子になめられしまい、授業が成立しない、俗にいう”学級崩壊”をしていた。そして私の家では弟の野球に母も父も行ってしまい土日は、朝起きると、机に伝言の紙とお金が置いてあることが当たり前だった。それでも当時の私は、クラスに馴染むことができていたというよりも合わせることに必死だったし、土日に両親が居ないことは自分の自由に家を使えるからと寂しさを感じることはほとんどなかった。(感じないようにしてたのか?)

ある日、クラスでいつも一緒にいる子(先ほど出てきた子)からこのアプリ楽しいよと言われた。
それは、同じ趣味の子と繋がれる掲示板的な機能を持つアプリだった。彼女はそこで仲間ができたのと嬉しそうに話していた。 
私は興味本位でそのアプリを入れた。自分のニックネームを決めて、
「○○年生まれの人!」
と年齢が同じ人が集まっているグループに入った。そこには10人くらいのメンバーがいた。最初はあまりにも通知がうるさくて、あとは知らない人と会話することに慣れなくてアプリを消そうと思ったけれど、学校に行くとそのアプリの話をする友達の影響もあって、毎日アプリを見るようになり、いつの間にか話しについていけるようになって、毎日連絡しあう同い年の友達がたくさんいることが嬉しくてはまっていった。
個人でのチャットで仲良くなった2人くらいとLINEを交換した。
そのうちの1人は沖縄に住んでいる子だった。
今でも覚えてるくらい毎日やり取りをしていた。学校のこと、家族のこと、好きなこと。
その年の年明けは家族で迎えたけど、年が明けてすぐに彼女に連絡した。
彼女は何かと紹介した本や好きなものを画像付きで送って来る子だった。
最初送られてきたとき何故かちょっと怖く思ったけれど、それが仲良くなった証だと思い私はもっと知りたいと思っていた。
学校の友達よりもその子の方が私のことを知っていたし、毎日連絡を確認することから1日が始まっていた。
でもそのやりとりは別れも告げず急に終わった。
その子が自分の顔付きの写真を送ってきたり、電話しようと言ってきたりするようになったのだ。
そのことに私は怖くなった。今まで1番の繋がりを持った友達かもしれないと思っていた子は、会ったことがない子で、本名も知らない子で、本当に同級生かも分からない子だと分かっていたのに、忘れようとしていたことに気づいたのだった。


この当時私の居場所は間違いなく会ったこともない、名前も知らない彼女との繋がりだった。現実なんて私の隣から誰かの一言で消えていく友達に、頼りない教師に、がらんとした家だった。だから、自分でリアルを生きるために調整したのだ。

気づいてほしかった。
リアルでそういう関係値が欲しかった。
たぶんそれだけだった。

私は、その後アプリを消して中学生になり”部活”に熱中するようになった。
運よくリアルで夢中になれることに出逢ったのだ。その場所は私を毎朝待っていたし、土日も嫌になるくらい私の心ごと埋めてくれた。

でも高校生の頃は好きなアイドルのTwitterアカウントを作り、同じグループを推している子と繋がって話したり、誕生日を祝ったりした。
でもあの頃ほど依存することはなかった。
これからもないと思う。

当時の私にはリアルで戦って、居場所を獲得する術もなかったし、誰かに訴えるような語彙も相手もいなかった。

自分と一緒に居てくれる誰か、
家族以外の誰かと繋がりたかった。

もし私が今当時の私に出逢えるのなら
手を繋いで外に連れ出したい。
「おにごっこするぞー!!」みたいな(笑)
リアルにもあなたを必要としていて
繋がりを感じられる相手が、場所が、あるよと伝えたい。
そんな場所を作ってあげたい。


私に貴方に誰かに
孤独と戦って逃げることのできない
現実に生きる彼に
もっと優しい余白を。安心できる場所を。
リアルにも。


これは小学6年生の私の
自分で気づいていない心の奥底にある
気持ちの代弁ですね。




それではまた。

百。



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百
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