テスト

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、、、

よく見つけましたね?




そんな僕を気にしてくれるアナタにが大好きなので、



【裏話】

札幌でジンギスカン食べた日のこと。
人が多く集まるこういったお店では、日本一周の看板を掛けてると声を掛けられる。このアーケードには、仕事で失敗したり、僕のように会社を辞めて旅に出る人、さまざまだった。

そんな中、ジンギスカンの店内で、家族連れの施工管理を営む方と出会った。

ハハハ、そうかそうか。私も色々あったよ、と。

僕は旅に出る際、会社を辞めてしまった。そのときの心境は、上司に恵まれなかった思いと、情けなさがあった。それをその方に話した。

僕は何社か経験しましたが、

最後の会社は本当に自分の力のなさ、屈辱でいっぱいで、

辞めてしまったんです。

でも、まだ諦めちゃいない。

自分の可能性に諦めてはいないんです。

僕の気持ちを察してか、その方は目先を変えた質問を投げかけた。

「K君、今の君にとって重要なことって、なんだか分かるか?」  

そう質問されて、答えを探した。僕は力なく顔を上げた。その顔からいつもの明るさはすっかり吹き消され、弱々しく悲愴だった。

「なんでしょうか。分かりません」  

その方は僕の気持ちが痛いほど分かってるようだった。まるで昔の自分を見ているかのようだった。

「君にとって重要なことは、『許し』を学ぶことだ」  

その声は温かさと、思いやりそのものだった。日本一周の学びを手伝いたいという気持ちがあふれていた。

「君が理解しているように、今回の件の原因は君にある。会社を辞めたのは君だからね。でもそれが理解できることは素晴らしいことなんだ。つまり、問題の原因が自分にあったと分かる人間はそんなに多くない。ほとんどの人は自分以外の誰かに責任を負わせて問題から逃げてしまう。それが楽に思えるからね。そして同じレベルにとどまってしまう。しかし、君は逃げずにその責任を負う勇気を持っている。私は君のような勇気のあるライダーと出会えてとても嬉しいよ」  


それは愛に満ちた言葉だった。

彼はこんな自分も受け入れてくれているのだ。

僕の胸に熱いものが込み上げてきた。

心の中の最も乾いていた部分が、

豊かな水で潤されていくのを感じた。

自然と涙があふれてくる。

「なぁ、旅に出るって理由があるよね。でも、いいかい。問題の原因を理解したら次は許すんだ。ミスを犯してしまった自分を責め続けてはいけない。もう自分を許してあげようじゃないか。自分を許せる人間は他人を許せる。ミスをしてしまうような自分を受け入れることが、他人を受け入れることにもなるんだよ。それが愛するということだ。」  

自分は完全に許されていると感じた。僕の心は彼の愛に共鳴していた。


2022年、会社の闇に染まってばかりだった。

でも今は違う、人の温もりが心の底まで染み込んできた。

人の愛につつまれているのを感じた。

思えば僕はうまくできない自分自身を拒否し続けてきた。人に比べて、うまくできない時は自分を嫌悪した。他人に劣っている自分が許せなかった。それは相手への怒りや憎むことにつながっていた。彼の言葉はそうした僕の心の表面を覆う虚栄心や恐怖心などの幾層にもなった殼を突き抜け、無垢で強い魂を震わせた。 施工管理の彼の声はさらにトーンが低く、深く、優しい確信をもったものになっていた。

「今こそ愛に満ちた心が、どれほど力強いかを知る時だ。君は自分を十分には愛していなかった。愛が足りない心は弱々しい。とても他人を許す力はない。君はその弱さを隠すために、心に虚栄心の殼を作って固めていたんだ。本当の自分を知られるのを恐れながら、周りの人から優れた人物、重要な人物だと思われるような自分を作り上げていた。でも、それは自分の心をどんどん苦しめるだけだっただろう? 飾り立てれば飾り立てるほど、心は孤独になり満たされなくなっていくものだ。君の心が本当に必要だったのは、自分をよりよく見せようと鞭打つことではない。ありのままの自分を許すことだよ。無条件に存在を認め、自分を愛することだったんだ」  

その言葉を聞いて、涙があふれてきた。その涙は悲しさからくるものではなく、辛さや虚しさからでもなかった。己の魂が震えているのだ。

本当に求めていたものに出会った瞬間だった。  

突然、自分の中にすべてに対する感謝の気持ちが湧き上がった。身をもって生き方を教えてくれた仲間。深い愛情で育ててくれた家族。未熟な自分にチャンスを与えて見守り続けてくれる、目の前の彼。  


人生に関わったすべての人。  

そして自分という存在。  

なんという幸せな人生なのだろう。

「君は人生で最も大切なものを学んだね。おめでとう」  

彼はそういって手を差し出した。僕は涙でぐっしょりになった手を服で拭いてからその手を握り返した。

すっかり気分は良くなっていた。

生まれ変わったような気持ちだった。

「さあ、ジンギスカンを食べよう」  

キッズルームで遊んでいた2人の男の子も一緒に食卓に着き、店内はとてもにぎやかだった。わが子を見る彼の眼差しはとても温かく心から幸せそうだった。店員さんの手によって料理が並べられた。ジンギスカンには沢山の野菜が盛られている。それにシーザーサラダが添えられた。胃がきゅーとなって空腹を思い出させた。

「ここ、最高のお店なんだ」
「美味いでしょう。召し上がれ」
「いただきます!」  

こんなに美味しいジンギスカンは食べたことがなかった。彼らは僕のことを家族の一員のように扱ってくれた。幸せな気持ちになった。それはとても理想の家族だった。


あなたも幸せになってね。


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