詩「或る世紀の四十九度の熱」

うすく凪いだカンヴァスに
古木がどよめいている
壁の隙間から吹く狂風が
免罪符を裂く
ホルマリン漬けのトロフィ
死の床にとび散る
侍従が痰からまる小声で
白蟻を呼ぶ
無人墓石工房の鑿
のきなみ癇癪おこす
超越的豚メンチカツ
メデューサにガンつけて果てる
残虐に不知火にてらされた影
笑いながらおろおろする
愚昧なペットボトル孤独の中
核スイッチ押す
甘たれドグマ滓を舐めて
偽神の内蔵内部で生きる
ミツバチの殺意身を寄せ合い
小鳥を煮る
私達のたったひとつの
成果精華聖歌
全人的な或る世紀の
四十九度の熱

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