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WEB詩誌「垂乳根の母」

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記事一覧

『ビフォア・リムーヴ・オブ・マイ・ペニス(1990)』マ・レジ

リッツパーティーでカマグラ配ってた
今月ガリア遠征だから助かる〜
祖父が酒をぽしゃけと言い始めて早7年
潮時か
生きては帰らぬ左前 薄紅引くは誉ゆえ
本当に努力している人は中島みゆきにガチ恋しない
拙者っちABBAズレにキョーミは御座らんので!
胎児よ胎児よなぜ踊る
メロウなビートに夜を委ねたいのか
書を捨てよ テレクラへ行こう
さぁ!この手を取って!
追伸
庭の杏が花を結びました。
また、二人で

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『年末漫才スペシャル』水陸両用陰茎ディストーション

さぁ年末漫才スペシャルもいよいよ大詰め!
よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属、芸歴4秒、爆走おちんちんザウルスです!

『「どーも爆走おちんちんザウルスです」』
「この前寝てる時幻覚見ちゃってさ~
やっぱ俺頭おかしいんかなー?」

『…え、お前、夢知らないの?』
「え、税理士だけど」
『いや、そっちじゃなくて、夜のほうの』
「え、女性を3人一晩で抱きたい」
『いや、そういう問題じゃなくて』

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『世界の夜明け』水陸両用陰茎ディストーション

地動説をNTRとして消費するコペルニクスが
朝焼けと共に大地を殴りつけ

和田アキコのzoidが街を駆ける
なんたってニュータイプだから

オヤジにもぶたれたことのない
しわしわのタマキン袋
風に吹かれた稲穂のよう

人魚と結婚した男が
なんで足、魚なの?と呟けば
空は晴れやかに澄み渡る

『一寸先』オオシロソラ

ふと気がつけば、この世に生を受けて22年という歳月が経ち、
そうして出来上がったのは、薄汚れた自尊心と傲慢な自己愛しか持たない俗物でした。
私は今、祝祭のようなリズムに身を任せて、ただひたすらに踊ってこの夜をやり過ごしています。
そうしなければ、現実が私の肩に手をかけてしまうからです。
そうしなければ、気が狂ってしまいそうになるからです。
ほら、すぐそこからタンドラムが鳴り響く音が聞こえてきますよ

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『るてん』パーフェクトワグニイニ

これが未来へ飛んでいるというのであれば、
私は時間を観測している。
過去を固定し、あるいは選別している。
そこに自身の時間を犠牲とすることはとんだ皮肉である。
しかしながら退廃的ではない。
平坦な空が示すのは、地続きで矮小な世界のことである。
故に、我々は今この多次元群青に遍在する。

『うたかた』山口祐也

僕がどれだけ言葉を尽くしても
誰かの「I Love You」には敵わない

僕じゃない誰かの

『視界野』山口祐也

土に還れない魚達は蓮華の夢を見るだろう
訥々と語る骨犬は路上に咲くランドセル
誰も貴方を愛してくれない
土に還れない魚達の夢を骨犬達は決して見ない

家に帰れない鳥達は泥濘の夢を見るだろう
訥々と語る骨犬は無限螺旋の夢の中
誰も貴方と認識しない
家に帰れない鳥達の夢を骨犬達は消して見ない

夏に帰れない花達は黄金の夢を見るだろう
訥々と語る骨犬はもうどこにもいない
誰も僕らを称賛しない
夏に帰れな

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『不幸をどうぞ』山口祐也

怒りん坊のカナリア
ようこそ、不幸をどうぞ
貴賎なく振り掛かる
不幸をどうぞ

無気力の子羊
ようこそ、不幸をどうぞ
分け隔てなく来る
不幸をどうぞ

ニヒリストなコマドリ
ようこそ、不幸をどうぞ
逃げども逃げども来る
不幸をどうぞ

『偽神の臣』山口祐也

プラスチックの木荘厳に聳え、アスベストの果実を身につけ憩う
例え世界が仮象の跋扈を許すとも、恥じて首垂れよ
ハイヤイホーと鳴く職人、述べては幻想の夜を裂く栞の嵐
乗りては飛べよ嵐の夜にいざ、君は美しい忌まわし様

プラスチックの木老獪に振る舞え、常識の狂気を翳して騙れ
恥ずべき形が笑顔の下に悪意を隠しても、君は決して疑わない
ハイヤイホーと鳴く職人、飾っては機密の太陽を孕むビオラの種
歌っては飲め

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『カイサツ』桜井梨穂子 シナリオ:パーフェクトワグニイニ

私はエスカレーターが苦手。
いつ足を出せばいいか全然分からないんだあ。
運動が得意な人はそんなことないのかな?

それから改札機も苦手。
切符を握る手をいつ離せばいいか分からなくて、吸い込まれるときにいつもびっくりしちゃう。
これも運動と関係あるのかな?
今度美也ちゃんに聞いてみよう。

またなんとなく冬が来て、
この日常もまたなんとなく続くんじゃないかって思ったけど、
行事予定表にはいよいよ卒業

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SS『幽霊の作り方:プロローグ』タターヤン

 花畑で倒れているデータ世界の主に、私はゆっくり近付いた。彼は私に気付いたのか、ゆっくりと体を起こしこう言った。
 「お前が来ると思っていたよ……MOTHERはそういうヤツだからな……」

SS『幽霊の作り方:1』タターヤン

 かつて、世界は『ニンゲン』という種族を中心に回っていたらしい。しかし、彼らは己の傲慢さと強欲によって世界を滅茶苦茶にし、自らの住環境を自らの手で破壊し尽くした。途方に暮れた彼らは、自らの記憶・人格をデータ化し、巨大なサーバーに移植する事を企て、成功させた。
 そのサーバー内で個々人が望みの世界を創造し、そこに埋没する事でニンゲンは永遠の生命を手に入れた、かのように思えた。
 200年の間はそれで

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SS『幽霊の作り方:2』タターヤン

 その日の夜、オニカズラが酷く取り乱した様子で私の部屋に転がり込んで来た。
「ルーデンス!俺の手!手を見ろ!ハハハ、俺の手を!見ろよ!」
 彼の手は指先が黒く変色し、所々損壊していた。
「オニカズラ、落ち着いて椅子に座れ」
「フフフ、そうだな落ち着かないと椅子に腰掛けた途端に身体が溶けちまうかもしれないからな!ハハハハハハ!」
 フラフラと椅子に着いたオニカズラは急に静かになると、ポツリとこぼした

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SS『幽霊の作り方:3』タターヤン

 そこは真っ白な花畑だった。人はただ1人も見えない。今日の仕事は早く終わりそうだ、と頭の中で考えた。
 私は花畑を散策した。このデータ世界の主がどこかにいるはずだ。それを終了させなくては。
花畑の花々を踏み荒らしながら散策していると、悪臭が漂い始めた事に気付いた。何事かと辺りを見渡して気付いた。踏みつけられた花から何か垂れている。どうやら機械油の様だった。
 私はあまりにも「ニンゲンらしくない」と

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