「写ルンです」で記録した2025年元旦の27枚。
おばんです。
新年明けましておめでとうございます。
写ルンですを元旦で使い切る撮影。
数年前までは続けていたがここ数年はサボり、今年になってまた特にやることもなかったので久しぶりに再開してみた。
元旦らしさ、仙台らしさ、そんなものを写せたらいいなと思いながら。
今年は東京から帰ってきてた同級生と会うついで、仙台を改めて案内するつもりで回ってきた。
まずは仙台大観音。
住宅地に堂々と鎮座する100mものジャンボ観音像は、この辺りを開発した会社の社長が、夢のお告げを受けて私財で建てちゃった歴史がある。
その会社は破産し、現在は隣にある大観密寺が管理している。
"街に怪獣が現れることの規模感"を体感できると思う。
私も度々訪れる場所ではあるが、いつも外国人観光客で賑わっている。
初詣に訪れていた人たちの数も多いと感じたが、やはり半数以上は外国の方々だった。
仙台大観音は"JAPAN"を感じられる場所としてかなり人気があることを地元の人たちも気づいていないかもしれない。
胎内拝観料¥500を払えば観音の胎内に入ることができる。
エレベーターで一気に上に登り、螺旋階段を降りながら各階に安置された計108体の仏像を巡り煩悩を一つ一つ打ち払うという。
様々な信仰があるなということに関心を向けつつ、こんな場所にも土着的な風習が見られることに驚く。
宮城のお正月飾りとして有名な玉紙。
エビや願いが叶う宝珠の玉など、縁起のいいものが描かれ、それを鏡餅の下に敷くことで一年の幸せを祈願する。
年末に県内のスーパーへ行けばこの玉紙が1枚単位で販売されている光景が見られ、年明けの正月飾りとして用いられる。
もちろんこの風習も宮城独自のもので、この風習がローカルだったことを県外に出てから知った地元の人も多いのではないだろうか。
エレベーターで最上階で登った先にあるのがこの御心殿だ。
金色の部屋には、龍が巻き付いた剣、奥には玉紙でも描かれる宝珠が置かれている。
どこかの世界の勇者にでもなりダンジョンの最深部に辿り着いたクライマックス感がある。
胎内を登ると窓から外の世界を一望できる。
私が心を動かされたのは仙台平野ならではの見晴らしの良さではなく、鳥除けのCDと、100mの建築物として設置義務が発生する航空障害灯だ。
8年前ほど訪れたときに窓の外にトンビが休んでいる姿と、大量の糞が落ちているのを見た。
掃除するのも大変だろうから、鳥が寄りつかない対策をとることも自然だろう。
そして夜に観音様が光る理由でもある航空障害灯の存在。
これがあるおかげで昼夜問わず観音像の存在を確認することができる…。
そんなわけでこの辺りに住む同級生も訪れるのは遠い昔すぎて新鮮だったようで、まさに"灯台下暗し"的な体験だったらしい。
余談だが、"観音下電波受信難し"的な出来事もあり、建設当時、周辺の家ではテレビ放送の映りが悪くなる現象が多発した。
その対策として観音像を建てた会社が中継用の設備を設置し、近隣住民に受信用のアンテナを無償配布したという出来事がある。
つまり、観音像の頭から電波が発射されていた時期があるということだ。
ここまでの色々をひっくるめて、「すごい…」という言葉しか私には出てこない。
観音像の横にあるお寺、の手前には鳥居が建ち、奥には油掛大黒天が鎮座している。
その名の通り、柄杓でサラダ油を掛けてあげるという珍しい場所だ。
フラッシュ焚いたら油が分かるかなーと思いながら接写。
初詣を済ませ、次なる場所へと移動する。
その道中、通りがてら「ちょっと停まっていい?」と寄り道したのがここ。
無用の建造物となった青葉山橋。
どこにも繋がってないただ掛けられただけの橋。
詳しくは過去に書いたのでそちらをご一読を。
その後青葉城址へ。
伊達政宗像はもちろん、護國神社へ初詣しに訪れる車で引き返せない一車線の道路は渋滞。八木山方面から街中へ抜けようとした人はこれだけで時間をとられてしまったことだろう。
その同級生は写ルンですの使い方すら忘れていた。
巻き上げから教え、さも奪われた瞬間の顔を改めて作る私。
写真というものには真実が写ると信じては危険なのです…。
こうやってもっともらしく振る舞う人間がいるのですから……。
初詣に訪れる場所は人それぞれではあるものの、ほとんどは決まった場所に訪れると思うが、改めて色々な場所を比較してみると違いを知れて面白い。
護国神社はかなり商売繁盛を祈願する色が濃かった。
THE 仙台である。
仙台に長くいながら元旦にこの場所に来たのは初めてだった。
初日の出もよく見えそうだし、朝はそれを見に来た人も多いのだろうなぁーと思いながら、もう寄るところないだろうと悟り始め、残り枚数を急いで消費するように撮影。
と思いきや、街中のアーケード方面にも面白い神社があるよと紹介し、行くことに。
三瀧山不動院。
ここには"仙台四郎"なる人物も祀られいる。
仙台四郎は実在した人物で生きてる間から福の神として愛された。
大阪でいうえべっさん的な、商売繁盛を願う神様として、仙台四郎のグッズは県内の飲食店など身近な場所でたくさん飾られている。
こちらは仙台三越横にあり、金蛇水神社の分霊社。
わかりやすく言えば、チェーン店でいう本店と分店の関係であり、こちらは分店にあたる。
本店の岩沼市にある金蛇水神社は巳年ということもあり、とんでもなく混雑していると聞いていたので、どうしても参拝したいなら街中にあるここへ訪れるという選択肢もある。
ちなみに私は太助の牛タンも、本店ではなく分店派です。
定禅寺通りまで歩き、仙台の街のシンボルでもある「夏の思い出像」を前に。
ケヤキ並木からは葉が落ちた寒空の下、冬に見るとより一層、その状況ならせめて夏の暖かい日のことも思い出して辛抱するわい、と思わないでもない。
最後に撮ったのは仙台らしさ、元旦らしさ、でもなく、ただただ、たまに行ってたなか卯が潰れて寂しいという個人的な気持ちに心が動きシャッターを切ってしまった。
以上、2025年元旦の仙台でした。
本年もどうぞよろしくお願いします。