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シチリアのお土産に人気!モディカチョコとは?

チョコレートはイタリアのお土産として人気ですね
主要空港にはいろいろなチョコレートが売られていますが、シチリア島の空港では「モディカのチョコレート (Ciocclato Modicano) 」

シチリア島のお土産としてすっかり名声を得たモディカチョコですが、
いつも私達が思い浮かべるチョコレートとは違う独特の食感と風味があるのが特徴です

今回はそんなアイデンテティー強目のモディカのチョコレートをご紹介


チョコレートの産地モディカはシチリア陸の孤島

モディカチョコレートの産地モディカはシチリア島のラグーサ県にある人口約5万3千人ちょっとの町です。
シチリア島南部の内陸に位置するこの町はいくつもの丘陵地を超えてたどり着かなければなりません。今も高速道路網から外れていて国道や県道を通らなければななないので「陸の孤島」とも呼ばれています

カターニャからは131㎞ちょっと

モディカの町がチョコレートの産地として知られるようになったのはこのアクセスの悪さが一躍買ってます

近代化に取り残されたチョコレートの歴史

モディカにチョコレート作りが伝わったのは15世紀頃。当時シチリア島はスペインが統治していました
スペインの植民地であった南米からは多くのものがヨーロッパに伝えられましたが、カカオもその中のひとつです
そして島の孤島モディカにカカオを原料にして作られるスパイスの手法が伝わります。それがチョコレートでした

モディカにある老舗のチョコレート屋さん

アクセスの悪いシチリア島の内陸部の当時の領地所有者は貴族達です。モディカで作られるスパイス(チョコレート)は貴重な年貢として貴族に献上されました

庶民達にとってモディカのチョコレートは厳しい冬を越えるための重要な「保存調味料」として量り売りされていたのだそうです。現在でもひき肉をチョコレートで煮たレシピなどチョコレートをスパイスとして使用する独特の料理がこの地域には残っています

18世紀以降、ヨーロッパの産業革命が進む中でチョコレートも改良され、スパイスとしてのチョコレートはそのまま食べる嗜好品として変化、普及されるのですが、もともとアクセスの悪いポジションにあったモディカは改革の波から取り残されてしまったのでした

20世紀に入ってもその状態は変わらず、近代化に遅れてしまったこの地域でしたが、逆にそれが昔ながらの手法を保存できたのです

そして近代化と飽食の波の中、ないものねだりの人類は「昔の味」を求めスローフードがブームになります

モディカのチョコレートは時代を逆行したグルメブームに乗って一躍スポットライトを浴びるようになったのです

モディカチョコの手法

現在のチョコレートは通常のカカオの他にカカオバターを別に加え、機械を使い高温で練り上げ作られます。カカオバターを加える『追いカカオバター』でチョコレートに滑らかさが生まれ、そのまま口のなかで溶けるようなチョコレートになります

これに対してモディカのチョコレートはカカオの中に含まれているカカオバターのみを使用。カカオを手作業で細かく削りつぶしながら摩擦熱だけで生まれるカカオバターだけを使い、低温で練られます
通常私達が食べるチョコレートは90度以上の高温で練り上げられるそうですが、モディカのチョコレートはせいぜい45度くらいで練られるそうなので当然ながら最後に加えられるお砂糖は融解せずに残ってしまいます。

モディカのチョコレート店にあるカカオ

モディカのチョコレートは固くガリガリとした歯ざわりが特徴ですが、これはお砂糖が全て溶けてこんでいないからです

モディカチョコの断面。ちなみにこれ開封してから半年以上経過してますが味も食感も変わらず!

伝統的なモディカチョコのフレバーはシナモンとバニラ。もともと固形を量り売りで買ってそれを削りスパイスとしてお料理に利用していたのが伺えますね

カカオ本来の香りと風味、そして融解温度が低いので冷蔵庫で保存しなくてもよいというのがお土産としても受けている要因かもしれません

今ではオレンジ味、ピスタチオ味、チェリー味など本当に様々なフレバーが売り出されています。中でもピリ辛の唐辛子味や塩味チョコなどは甘党でない方にもおススメです

様々なフレバーとパッケージで売られています

シチリア島のお土産品として、また一流レストランのお料理やデザートにも使用されるようになったモディカのチョコレート。1枚3ユーロ~4ユーロとすっかり高級チョコレートとして定着してた感がありますが、シチリアの貧しさや不便さから生まれた歴史がぎっしり詰まった庶民芸術の味なんですね

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