52.イタリア移住に必須なものとは?
2月の初め、無事に2度目の留学ビザを取得し、再び学生としてイタリアへ渡りました。
移住のために最初に渡航した前年9月から数えると3回目になります。
こんな短期間に日本とイタリアとを行ったり来たりしたのは初めてです。
ビザだけでは不法滞在者
留学ビザはパスポートの中ほどにシールのように貼られています。
それは最初にアラフォーで留学したときも同じでした。
この時の私はシェンゲン協定で免除されている滞在期間、6ヵ月以内に90日間を超えていましたが、留学ビザを提示することでEU圏内に再入国できます。
ドイツで飛行機を乗り継ぎ、ローマ・フィウミチーノ空港へ到着。
いつもの運転手さんを予約していたのですが今度はスムースにブラッチャーノ入りできました。
この運転手さんにはローマからブラッチャーノへの引っ越しも手伝ってもらいましたし、何だかんだとお世話になったものの、ブラッチャーノ住みとなりここの運転手と親しくなるにつれ遠のいていきました。
イタリアにいると実際の距離の遠さが縁の遠さに直結するように思います。
こうして無事に、今度は旅行者としてではなく住人としてブラッチャーノのアパートに着きました。
約1ヵ月ぶりでしたが、窓から見える景色にホッとしたのを憶えています。
しかし、そのままノンビリしているわけにはいきません。
日本でもらってきた留学ビザを持って移民局へ出頭し、イタリアに滞在するための許可証の発行手続きをしないといけないのです。
これを「ペルメッソ・ディ・ソッジョールノ(滞在許可証)」と言います。
ビザを持っているだけではNGです。
ビザを滞在許可証に換えないと不法滞在者になってしまいます。
滞在許可証ってなに?
ペルメッソは「許可」を表す言葉ですが、道を歩いていて他人を避けるときなど「ペルメッソ~」なんて言いながら脇を通ります。
「ちょっとゴメンナサイね~」みたいなニュアンスです。
ソッジョールノは「滞在」を意味しますが、居間のこともイタリア語ではソッジョールノと呼ぶので、人が留まっている状況を指す言葉なのだと思います。
というわけで、まさにイタリアに留まることを許してくれる証明、それがペルメッソ・ディ・ソッジョールノ、滞在許可証です。
滞在理由によって種類がいくつかありまして、ペルメッソ・ディ・ソッジョールノの後にその理由が続きます。
留学なら「ペル・ストゥディオ」で学ぶため、仕事なら「ペル・ラヴォーロ」で労働をするため、です。
「ペルメッソ・ディ・ソッジョールノ・ペル・ファミリアーレ」で家族用滞在許可証というのもあり、これは主にイタリア人と結婚した配偶者などに発行されます。
クレジットカードのような形状で名前や生年月日といった個人情報のほか有効期限が明記されていて、最近ではICチップ付きです。
イタリア国籍を持っていない人は、すべて滞在許可証を保持していなければならず、EU圏内ではパスポートに次いで重要な身分証明書となります。
結局はビザより滞在許可証
滞在許可証の期限内はイタリア国内はもとよりEU圏内を自由に移動できます。
ただし、期限切れとなった場合はEU圏から出なければならず、いくら有効なパスポートを持っていても留まることはできません。
いま改めて確認したら、期限が切れてから更新手続きをせずに60日以上滞在すると、不法滞在者とみなされ強制国外退去など何らかの罰則が与えられることになるそうです。
日本のイタリア大使館で留学ビザを受け取ったとき、ビザが切れても日本に戻ってきて再発行する必要はない、現地で更新手続きができるから、と言われたのはこのことでした。
ビザそのものではなく、ビザを持ってイタリアで発給された「滞在許可証」を更新していくことによってのみ、イタリアに住み続けることができるのです。
すなわち、それが外国人にとって「移住」を意味することとなります。
イタリアに移住するには滞在許可証の保持が必須ということです。