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頭を使う本

 最近、活字疲れをしてきた。
 でも本が読みたい。
 こう開いても頭を使わない本が欲しい。

 最近、よく本情報を交換している友人に「頭を使わない本を紹介してくれ」と頼んだ。彼はSFを何点か紹介してくれた。分かっている。明白だ。SFは絶対頭を使う。こう文字情報がいけない。写真集ならいいのではないかと思って、前から気になっていた写真集を購入した。

 写真集は良いと思ったのは最初だけ、回りすぎる私の脳は写真の意図や意味を考え、結局頭を使う。

 餅は餅屋、本は本屋。大きな駅にある大きな本屋に向かった。
 流石というか当然大量の本がある。この中から頭を使わない本を選ぶぞと意気込んで、早速小説や新書の書架を探った。むやみやたらに探すと労力を大きく割くことになる。ここは本屋の宣伝に乗ってやろうと思い、特集コーナーで選ぶこととした。

 ふと思った。これこそ本末転倒では無かろうか。
 結局、頭を使わない本を探す為に頭を使っている。

 岩波文庫も講談社文庫、角川文庫、新潮文庫etc……。

 みんな頭を使うではないか。