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【投資】豊かさを測る指標(8) - 日本経済新聞

いよいよシリーズも大詰め(全9回なのでちょっと大袈裟ですが)。8回目の内容は"分配の正義を巡る議論"という、ちょっと哲学的な話のようです。

(8)分配の正義を巡る議論

分配を巡る議論では、何が正しいのかを考察する「規範理論」が重要で、今回の内容はその重要性を紹介しています。

  • 分配的正義に関する議論の主流は2つ。1つは「運平等主義」という、自己責任を問えない要因(性別・人種・障害・家庭環境など)による不遇は補償すべきだが、そうでない要素(怠惰や無謀な行動など)による不遇は補償しないというもの。

  • もう1つは「リバタリアニズム」という、国家が企業や個人の経済活動に干渉することを強く反対し、取得・譲渡の手続きの正しさと所有権を絶対視するもの。これは正しく取得された私有財産への課税は許されないと言う見解に結びつく。

  • 他の重要な議論としては「功績主義」。これは個人は自身の功績に基づく報酬を受け取るべきという主張(単なる成果報酬の主張とは異なる)。功績主義は重要な発明や発見、新規の市場創出における大学・公共部門・労働者の功績を重視。一方で知財制度に基づく独占収入やCEOの高額報酬を批判。

  • 上記のように、規範理論は「社会のあるべき姿」について重要な議論を提供。

なんか、倫理・道徳の授業のようになってきましたね。でも社会のあるべき姿を議論するにあたって、成果に対する個人の責任をどこまで考慮するか、個人の所有する財産(持つ者、持たざる者)をどう扱うか、功績をどう報酬に反映するかなどを考慮すべきであることは自然と理解できます。

規範理論とは?

ここで、「規範理論」という言葉が出てきましたので、ググってみました。

規範理論とは、あるべき姿や価値、当為などを考える理論です。政治学や経済学、倫理学、美学、論理学などの分野で用いられます。
規範理論の例としては、次のようなものがあります。
・ルソーやモンテスキューなどの政治理論のように、「あるべき政治」の姿を描こうとする政治学の規範理論
・経済の制度や政策の善・悪を評価し、現存の制度や政策の欠陥を改善する方法を設計する経済学の規範的経済学
・具体的・実質的規範の定立にまで踏み込む倫理学の規範的倫理学
規範理論と関連する概念には、次のようなものがあります。
・規範法則:倫理学や法律学などにみられる当為や価値に関する法則
・規範的理論:最適で合理的な選択をどのように行うべきかを考える理論
・経験的理論:自然科学や心理学、社会工学、行動科学などの成果を摂取する法則定立的な理論

Google AI

要は道徳的、倫理的に正しいこととは何かという考えを、経済学等にも適用するということですかね?(自分なりの解釈ですが)
社会の豊かさを評価するには、こういう道徳的な観点(規範理論)が欠かせないということかと認識しました。

連載もあと1回ですね。

#日経COMEMO #NIKKEI

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