保育園や幼稚園を選ぶ際に「防災」も考慮に入れませんか?
明日は3月11日、東日本大震災から12年が経とうとしています。
この地震の特徴は津波による甚大な被害でした。
津波に関連して、新聞に気になる記事がありましたのでご紹介します。
「津波浸水域 幼保3276箇所」
地震大国であり、周囲を海に囲まれる日本で、この数字はとてもショッキングですよね。
同記事には「民間経営の多い幼保施設は、地価の安い浸水域に建設されやすい」とあり、なるほどそういうことか、と納得してしまいましたが、もちろん、このままで良いわけではありません。
自分で判断できない、逃げられない、小さな子どもたちの命を守るために、園関係者の方はもちろん、保護者の方にも意識していただきたい内容だと感じました。
保育所保育指針には、平成29年の改定で「災害への備え」の項目が追加されました。
東日本大震災でもたらされた津波被害を知り、誰もがその恐怖を感じたはず。でも時が経つにつれて、日々のなかで忘れてしまうこともありますよね。
そんな中、こうして指針で防災について追加されたことは、とても大きな意味があると思います。そして、大切なのは、これを形だけにせず、中身を伴うものにできるかどうか。
幼稚園・保育園を選ぶ際のチェックポイント
皆さんは、お子さんの通う幼稚園や保育園を選ぶ際、どんなポイントをチェックしますか?
おそらく多くの方が考慮するのは、送り迎えのしやすさ、家からの距離や、駅からの距離などがあるのではないでしょうか。
これからは、そうした利便性に加えて、防災というポイントも加えてみませんか。
園周辺のハザードマップを確認して、どのような危険があるのかを確認するのも大切です。もちろん、毎日のことなので、送り迎えのしやすさは重要です。仮に津波浸水域にある園が日々の生活において便利な場所であれば、無理して他の場所にしてくださいと言うことはできません。
ただ、もしその場所に津波のリスクがあるならば、地震発生から津波の予想到達時刻の確認、園が津波への対策を行っているか、避難訓練を行っているかなどを確認してみてはいかがでしょうか。
また、避難訓練といっても、ただ実施していれば良いわけではありません。
火災時の避難訓練だけだったり、避難訓練をすること自体が目的となっていまい、中身が想定される被害と合っていない訓練がされていることもあるそうです。
どのような訓練をやっているのか、特に浸水域の場合には、津波に対する訓練の内容について確認してみてもいいですね。
また避難計画も、その園の置かれている環境を考慮せずに、雛形をそのまま使用している場合もあるようなので、それを良しとしない空気を作ることも大切かもしれません。
それぞれのご家庭によって、園を選ぶ基準があるかと思います。利便性であったり、保育や教育の内容であったり。
ご自身が大切にしたいポイントの優先順位は保ちつつ、「防災」という点もぜひ意識していただけたら…
選ぶ側の防災意識が高まれば自ずと園側の防災意識も高まっていくのではないでしょうか。
日々たくさんの業務に追われる保育士さんや幼稚園の先生に、さらに「防災のことも、きちんとやってください!」と言ったら、負担が多くなってしまうのは、重々承知の上であえて書かせていただくと、防災の意識を高めることは、そこで働く大人、自身の命を守ることにもつながります。
子どものためはもちろん、職員の命を守るためにもぜひ防災への意識を高めていただけたらと思います。
保護者の方も、ただチェックをしたり、批判したりするだけでなく、アイデアを提案するなどできることがあると思います。
大切な子どもの命を守るため、園と保護者が一体となって、その場所ならではの対策を考えていける関係が築けると理想ですよね。
誰かを責めたり、責任を押し付けたりするのではなく、それぞれの立場で自分のこととして防災について考えていけるようなそんな雰囲気が出来上がっていくことを願っています。
大規模災害発生時は、救急車が来ない?
防災士の研修時に衝撃を受けたのが、大地震など大規模災害が発生したときには、救急車が来ないということ。なぜなら数が圧倒的に足りなくなるからです。さらに道路の被害状況によって、道路が通行止めになってしまうこともあります。
それらを想定して、できる一番の対策は怪我をしないように事前に対策しておくことです。例えば家具を固定する、上に重いものを置かない、など…
でも、いざ怪我をしてしまったら?応急処置や救命法を知っていれば、大切な命を救える確率がぐっと上がります。
明日3月11日(土)10:00〜11:00「赤ちゃん・子どもへの止血法と窒息の対処法」についての救命講習をオンラインで開催します。
残り1席です。ご希望の方はお早めにお申し込みください。
講師は育児クイズパパ力検定の救命編監修でおなじみ、日色幸生さん。講師とやりとりしながらすすめるアットホームな雰囲気の参加型セミナーです。ISSHO NI編集部のスタッフも参加します!乳幼児向けの救命法を学べる機会はとても少ないのでこの機会にぜひ!
※続く実践編第2弾では「意識の確認と心肺蘇生法」について4月に開催予定です。
こちらからお申し込みいただけます。
平日開催もあります!
むすびに
この時期になると、東日本大震災関連の記事を目にするようになり、心が苦しくなります。大切な人を失った傷はきっと癒えることはないでしょうし、実際に体験した人にしかわからない苦しみがあるでしょうし…そんな風に思うとなんとも無力な気持ちになります。そんな自分にできることは、思いを馳せることぐらいかもしれません。ただ、あの時、失われた命を無駄にしないためにも、私たちは、そこから教訓を学び、生活に取り入れ、これからの未来でひとりでも多くの命が守られるよう努めることなのではないかと、そんな風に感じています。
お読みいただきありがとうございました。
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