見出し画像

子どもが「ありがとう」と言われる機会をつくる~被災時の心の健康のために~

「ありがとう」と言わるためにやっているわけではないけれど、自分がしたことに対して「ありがとう」と感謝されることは、いくつになってもうれしいものですよね。

2023年 オリジナル講座を計画中!

今年、育児クイズパパ力検定では新しい取り組みが始まります。その1つがオリジナル講座の開催です。

先日、LINEにて、どのような講座を受けたいかアンケート調査を行いました。(詳しい結果は後日ご紹介します。)

子ども救命法運動の発達など様々なご回答を頂いておりますが、「防災」について興味を持っている方も多く、今後は「くらし ✕ こども ✕ 防災」をテーマにこれから講座の企画していく予定です。

というわけで、どんな講座にしようかと編集部スタッフ同士で話し合っていたところ、私たちが防災士講習で知ったエピソードや体験談をもっと広めていきたいという話になりました。

エピソードをただシェアするだけではなく、そこから得られる学びや、どんな対策ができるのかといったことを考えていくワークショップのようなものができたらと考えております。

詳細はまだまだこれからというところですが、今日はそんなシェアしたいお話の中から1つご紹介します。

子どもが「ありがとう」と言われる機会をつくる

冒頭でありがとうと感謝される喜びについて触れました。誰かに何かしてもらうこともうれしいですが、自分の行動が誰かの役に立っていると実感できることも、同じくらい心地良い感情を生み出してくれるものではないでしょうか。

防災士の研修で学ぶ内容は多岐に渡りますが、その1つに「災害ボランティア活動」というプログラムがありました。

講師の秦好子先生のお言葉の中に、

子どもが「ありがとう」と言われる機会を作ってください

というものがあり、とても印象に残っています。

被災時、普段とは違う環境の中で、大人も子どももストレスを感じます。当然、大人は子どもを守ろうとします。それはとても大切なことです。でもただ守るだけではなく、子ども自身が活躍できる場を設けることで子どもの不安を和らげることができるかもしれません。

子どもも避難所などコミュニティの一員であり、自分も役に立てることがあると実感できることも実はとても大切なことなのです。

具体的な例として挙げられていたのは、

・子どもたちがおにぎりを作る、
・子どもたちが避難所の人たちに食事を配る、
・ビニール袋と新聞紙で作る防寒用の即席毛布の制作する

など

内容は何でも良いと思います。「その時、置かれた状況、環境で『子どもができることはないか』と考える」と心のどこかに留めていただけたらと思います。

こんな提案も

ある防災関連セミナーで聞いたお話です。とある避難所で女子高校生が生理用品が必要になり、配布場所に取りに行ったのですが、そこに居たのが男性だったため、恥ずかしくて、言い出せず引き返してしまったそうです。これを聞いたとき、一応、元女子高校生の筆者も、時とともに、すっかり恥じらいという言葉を忘れていたことに気づきました。大人にとってはなんでもないことでも年頃の子にとっては、とても大きな問題になるという学びにつながりました。

「そんな細かいこと、災害時に気にしてどうするの?」
「もっと大事なことがあるじゃないか!」

と思う方もいるかもしれません。でもストレスのかかる被災時だからこそ減らせるストレスは少しでも減らすと考えることもできるのではないでしょうか。

と話が少し脱線してしまいましたが、みなさんだったらこの状況をどう解決しますか?

もちろん正解はありませんが、支援物資の配布係を子どもにするというのも1つのアイデアと聞き、なるほどと思いました。

子どもが避難所の仕事に関わることで、誰かの役にたっている、自分もコミュニティの一員なのだと実感できるというメリットももちろんありますが、この場合はそれだけでなく、子ども自身が、効率よく配布できるよう物資の並び方を考えたりすることで、実践的な学びにもなります。机の上では学べない経験ですよね。

もちろん、子どもといっても何歳の子どもに任せるのか?男の子に配布させるのか?など、色々課題はあるとは思いますが、そうした細かい議論は一旦置いておきます。女子高生にとっては、少なくとも大人の男性がいる場合より、取りに行きやすいのではないでしょうか。アイデアとして興味深かったのでご紹介しました。

多様性を活かす

今回は子どもに絞って書きましたが、実は、感謝される場をつくることの重要性は子どもに限らず大切なことです。動きたがらないおじいちゃんおばあちゃんに、先ほど例に挙げた「毛布制作」など、新聞をちぎってもらう作業に参加してもらう、というのもいいですよね。おじいちゃんおばあちゃんも役に立てたことを実感してもらえますし、少しでも動いてもらうことで、避難所で起こりがちなエコノミークラス症候群の予防にもつながります。

ご年配の方に限らず、自分は無力だと思ってしまうこともあるかと思います。でも、いわゆる災害時要配慮者とされる人でも、例えば難聴者だからこそ、気づけたこと、赤ちゃん連れだから気づけたこと、など、むしろ要配慮者だからこそ、役に立てることもあります。

また、ご自身の経験や置かれている立場によっても役に立てることがあります。例えば保育士など子どもと関わる仕事をした人であれば、子どもと触れ合うアイデア、介護などの仕事に携わっている方であれば年配の方が直面する問題など、単身者の方の場合は、単身者ならではの不安、などその人だからこそ気がつけることがあるはずです。プロフェッショナルでなくても、ご自身の子育て経験が役に立つかもしれません。

「自分なんて」と思わずに、「自分だって」できることがある、という気持ちで、子どもも含め積極的に互いに助け合っていくこと、みんなに活躍の場を与えることが、被災時のストレス軽減に大きく影響するかもしれないと、防災士として学ぶ中で強く感じています。

むすびに

まだ、どのような形にするかはわかりませんが、防災、とくに子育て家庭に向けた防災講座を計画しておりますので、もしこんなことが知りたいなどリクエストがあればぜひお寄せください。

1月16日に発売予定「ふたりの子育てがもっと楽しくなる パパのための育児クイズ115」には防災クイズも掲載されています。Amazonやお近くの書店でぜひお手に取ってみてください。

オリジナル講座が受け放題!「育児クイズパパ力検定」有料プランの割引サービスや赤ちゃんの発達に関する動画など読者特典もあります!

お読みいただきありがとうございました!


ISSHO NIとは

子育て中の心がちょっぴり軽くなる言葉のご紹介
(友だち登録者数2500人超!
LINE公式コンテンツ「育児クイズパパ力検定」監修の保健師さんによるメッセージ)
●皆様からいただいた子育て体験談をラジオや記事を通じて共有
子育て家庭に向けた防災情報を発信
しながら、みんなで子育てする文化・環境づくりを目指しています。


この記事を書いた人


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?