Photo by noouchi 『若い日』品川陽子詩抄 (No.2) 19 一錢亭文庫 / 菊池 與志夫 2023年9月13日 09:19 若 い 日陽ひはやはらかになべてのものにこぼれかぎりなく晴はれた靑あおい空若草わかくさのうへにひとり乙女おとめは空そらを見みつめてゐるいつまでもいつまでも失うしなはれたものをさがすやうにそつとちかよる母はゝの影かげに乙女おとめは空そらを見みつめることをやめて寂さびしくほゝ笑ゑんだうつすらぬれてゐる淚なみだの瞳ひとみを見みて母親はゝおやは靜しづかに思おもふどんな悲かなしみが小ちいさな胸むねをなやませて居ゐることだろう・・・・・・と春はるの日ひは靜しづかにかたむいてたつたひとりの母はゝにも若わかい乙女おとめのなやみは分わからずに暮くれて行ゆく 「婦人之友」19(4)大正14年4月1日發行より #品川陽子 #品川約百 #詩 #佐藤春夫 選 評 佐 藤 春 夫とり込んだ事があつてゆつくり選することが出來ませんでした。「若い日」單純でもの柔かで美しい。かういう風に無雜作にすつきりと美が現れるといふ事は不思議なほどです。この人はいかにも女らしいいい詩人だと思ひます。[後略] 国立国会図書館 所蔵品川 陽子(明治38年(1905)12月6日―平成4年 (1992) 12月12日)本名は品川 約百よぶ新潟県柏崎町納屋町に生まれる詩人佐藤春夫に師事兄に、本郷の古書店「ペリカン書房」の品川力、弟は、版画家の品川工猫はキジ猫のマヤ ダウンロード copy #詩 #佐藤春夫 #品川陽子 #品川約百 19 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート