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蕎麦はありがたくいただくべしっ!
今年も新米が取れました。800kg以上あり、昨年の分(古米)もあわせると、軽く1トンを超える量になります。
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これらのお米は、当面すぐ消費するとか、何に使うとかはないので、しばらく保管です。
ところで、お米が初春から晩秋にかけて、ほぼ年間を通じての作業が必要なのに対して、蕎麦は簡単にできるという話があります。
日本人にとって、とてもなじみ深い食事の蕎麦(そば)。穀類の中でも育てやすく、蕎麦の実(種)をひいて粉にすると、おなじみの蕎麦が作れます。
脱穀や粉をひく作業は、家庭でも簡単にできるんですよ。今回はそんな蕎麦の栽培ついて、育て方のポイントや収穫の時期などをご紹介します。
(中略)
蕎麦の収穫は、種をまいてから約2ヶ月半~3ヶ月でできます。一番上の花の実が、70~80%黒くなったら、根元から切って収穫します。
HORTIより引用
痩せている土地でも育つし、種をまいてから3ヶ月程度で収穫できるというのですから、たしかに魅力的です。冷涼な河口湖でも、その気になれば二期作だってできそうです。
仲間内では、「もしかしたら、お米よりもいいんじゃね?」という話も出まして、今年は蕎麦の栽培も考えてみました。
さっそく富士河口湖農園の農業リーダー・軍曹殿に相談したところ、河口湖は蜂が少ないから、うまく受粉しないのではないかという問題提起がなされました。
たしかに、蕎麦は他家受粉(他の株から受粉しなければいけない)なので、蜂などの昆虫がやってくれなければ、人の手でいちいち受粉させないといけないことになります。それはかなり面倒です。
でもまぁ、「とりあえずやってみよう」の精神で、挑戦してみることにしました。
用意したのが、こちらです。
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これを畑に筋蒔きにします。
8月の初旬、農業リーダー・軍曹殿がお手製の道具で、畑に筋蒔きするためのラインを引いていきます。
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ラインが引けたら、書きあがった筋に沿って、ぱらぱらと蕎麦の種をまいていきます。
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これで少しずつ種を蒔いていく作業は、思っていたよりも根気がいるものでした。
本当に、蕎麦の芽が出るの・・・?
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いやいや・・・出るの?なんてもんじゃありません。
ものすごい勢いで出てきました。雑草のような逞しさです。見た目も雑草のようでした。
そして、1ヶ月もの間、周囲に雑草を生やすこともなく、大層立派なお姿に成長してくれました。
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花も咲きました。
問題は、ここに蜂が飛んできてくれるかです。
そしたら2週間後・・・
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蜂が飛んできてくれていることも確認しました。
おぉ???もしかしたら、うまくいく????
種蒔きから2ヶ月後、徐々に蕎麦の種のようなものができ始めました。
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そしてさらに1ヶ月・・・種まきから3ヶ月が経って、いよいよ蕎麦の刈り取りをしました。かんぺきっ!
刈り取りは、稲(お米)のときと同じ要領です。
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ギザギザの鎌で刈ったら、それを束にして麻紐で縛り付けます。
束にした蕎麦は、干して乾燥させる工程に移されます。
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今回は、ビニールハウスのなかにロープを張って、その上に吊るすことにしました。なので、刈り取った蕎麦は、軽トラに積んで、ビニールハウスに運び込みます。
結果、こんな感じに収まりました。
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奥で黒いケーブルの上に掛かっているのが、蕎麦です。手前の地面に敷いていあるのが、同時に刈り取ったダイズです。どちらも、収穫前に一通り乾燥させるのでした。
さぁ・・・でも、本当の問題はここからだったのでした。
ここから、脱穀という作業に入ります。蕎麦の脱穀で検索してみると、以下のような動画がみつかります。
かなり大変そうな手作業です。
動画にある通り、ブルーシートの上で叩いてみたら、こんな感じになりました。
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これね・・・えげつないのですよ?
蕎麦の実、あるっちゃありますが、小枝や葉っぱに交じりながら、「あ、みえる!」というくらいのものです。
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仕方ないので、手で揉みほぐしながら、ふぅふぅと息を吹きかけて、小枝や葉っぱを飛ばしてみました。
時折、葉っぱを吸い込んでしまったり、目にゴミが入ったりを繰り返しながら、やっとのことこんな感じの蕎麦の実ができあがりました。
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まぁまぁの出来です。
しかし、ここまでするのに、ものすごい時間をかけなければなりません。とてもではないですが、この調子で最後まで蕎麦の実を選別するのは、無理があるように思いました。
そこで日をあらためて、トウミという機械をお借りしてやってみようということになりました。トウミは、唐箕と書くそうです。
これが実物です。
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使い方は、こんな感じですが、要は風を使って、軽い小枝や落ち葉を取り除き、重みのある実だけを採取しようというものです。
面白い機械です。
しかし、大変でした(笑)。
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風に煽られて飛び出してくる埃の量がものすごく、まともに顔を上げていられません。
でも、こんな器具を使ってみても、必ずしも完ぺきではありません。
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一回、唐箕を通してみた蕎麦の実をみてみると、結構な量の小枝が入ってしまっています。
唐箕は、採取したい実の重さを調節できるので、少し重いものだけを取れるように設定を変更したりして、何度か唐箕がけを繰り返してみます。
結果・・・ここまでになりました。
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ふぅ・・・まだ小枝があるっちゃありますが、もうこれ以上はやる気になりません。とりあえず、今回はこのレベルでよしとしました。
ちなみに、ここまでが蕎麦の実を採取するという作業です。ここから蕎麦をいただくまでには、これを蕎麦粉にして、さらに蕎麦打ちをしなければなりません。途方もない工程の多さです。
栽培に3ヶ月しかかからないから、お米よりも簡単でいいんじゃないか?
とんでもねえっす!!!!
蕎麦、本当に大変な手間がかかります。侮っちゃいけません。
普段、私たちが何気なく口にしているものは、本来、とんでもない労力をかけないと食べられないものだということを、あらためて痛感させられました。
ということで、今回の結論・・・「蕎麦はありがたくいただくべしっ!」でした。