No,57.格闘家の性質「格闘技をやってる人って暴力的なのか?」
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2015年に格闘技経験者及び未経験者を対象に調査したデータをもとに再度分析したんだけど、そのことについてつらつらと書いてみる。
格闘技を始めた理由やイメージについて
● 体を動かしたかった事と人を殴っても大丈夫なスポーツだった事。弱い男よりは強い男の方が格好良いから。
● テレビなど見て自分はどれ位出来るか興味があったところ職場のバイトが通っていたので始めました。
● スポーツが好きでなんでもやってみたい性格。中でも格闘技は個人性が高くかっこいいいなと思っていた。 家の近くにジムがあって、環境が良かったので始めました。
など憧れや興味からはじめた人が多いが、こんな意見もある。
▲ 心・技・体と言いますが、格闘技をやっている人で、これを極めている人は少ないのではと感じるのですが。 格闘技は武器ですから、扱う側に相当に精神熟練が必要と思います。
▲ スポーツなのかもしなれいが、喜んで観戦する気になれない。 暴力的な感じが好きではない。儀式を重んじる相撲は嫌いではない
問題意識
格闘技経験者は暴力的な人などステレオタイプで見られるケースもある。また暴力事件を起こした場合は、未経験者に比べて社会的に大きく扱われる。そもそも格闘技経験者は暴力的なんだろうか?そこで日本版Buss-Perry攻撃性尺度をもとに検証してみた。
※日本版Buss-Perry攻撃性尺度は短気・敵意・身体的攻撃・言語的攻撃の4つを測れるよ
仮説
経験者と未経験者では短気・敵意・身体的攻撃・言語的攻撃に差はない!
調査対象者
・格闘技選手及び経験者(ボクシング、総合格闘技、空手、キック) 75人(男性70人・女性5人)
・未経験者 45人(男性25人・女性20人)
結果
あちゃ~短気・敵意・言語的攻撃に違いはなかったけど、身体的攻撃は未経験者より経験者の方が高いことが示されたわ~(t(118)=3.72,p<.01)(図1)。仮説は一部支持された結果となった。
図1
筆者作成
どんなことで身体的攻撃にうつるのかについて
短気な人が身体的攻撃をしやすいことがわかった(β=.37,p<.01)(F(3, 71)=6.81,p<.01)※格闘技経験者(表1)。
表1.身体的攻撃に移る要因(経験者)
未経験者も調べたら、なんと同じように短気な人が身体的攻撃をしやすいことがわかった(β=.47,p<.05)(F(3, 41)=4.6,p<.05)(表2)。
表2.表1.身体的攻撃に移る要因(未経験者)
筆者作成
まとめ
格闘技経験者は未経験者より身体的攻撃が高いけど、短気な人ほど身体的攻撃傾向が高い。経験者であっても未経験者でもいえることが示唆された。
最後に
短気は損気
筆者作成
(注)ツッコミどころ満載のデータ解釈ですw
最後まで読んで頂きありがとうございました。