No,74.血液型性格診断の謎「血液型性格って正確なん?」
血液型性格判断についてつらつらと書いてみる。
同時にYouTube動画のリンクも貼っておきます!(^^)!
そもそも、血液型による性格判断っていつできたの?始まりは?
血液型性格判断の歴史
古川って人が1927年に心理学研究で発表した“血液型による気質の研究”が発端らしい。
発表以後、多くの追試の研究結果では学問的に妥当ではないと判断されている(大学や大学院で心理学を学んだ人で血液型性格判断を信じている人は皆無です、学んでいた人(学び中の人)は、バーナム効果、予言の自己成就、役割性格、確証のバイアス、ステレオタイプなどの色んな概念で説明できるはずです)。
不思議なんだけど、血液型で決まるなら周りの影響をまったく受けずに何をしていたのか?と思うし、A型が几帳面って、ほかの血液型の人は几帳面じゃないのか?って話になる。
1.なぜ血液型性格判断を信じるのか?(例として)
●バーナム効果=「あなたは自分自身に対して批判的な傾向があります」みたいな誰でも当てはまる診断、そもそも血液型性格判断の内容はすべてそれっす。
●予言の自己成就=「もしひとが状況を真実であると決めれば、その状況は結果においても真実である(正村、1995)」と言われるように、私はA型だから几帳面だと思っていれば、結果的に几帳面になる人もいる(血液型や占いを信じる人はそう言った傾向が強いかもね)
●役割性格=「男らしく・女らしく」って言われればそのように演じるでしょ?
●確証バイアス=「あの人はA型だから几帳面だ!」と思うのは、その人のその部分だけフューチャーリングしているだけで、それを支持する情報ばかりに目がいき、几帳面ではないずぼらな部分は無視っす。
●ステレオタイプ=「A型はみんな几帳面だ!」
2.血液型で判断する危険性についての事例
過去、私は女性の同僚(以下相棒)とコンビを組んで仕事をしていました。
ちなみに私はAB型(全体の9パーセントらしい)です。
相棒「私AB型の人が合わなくて大っ嫌いなんですよね~何型ですか?」
私「何型に見える?」
相棒「O型でしょ?」
私「よくわかったね~そうよ(O型が人気なのはなんとなく知っていたので)」
相棒「でしょ~典型的なO型ですよね~私合うんですよO型の人!」
それ以降、相棒として卒なく働いていた。
とある昼休憩の雑談中、「近くで献血してAB型不足らしいから献血いけば?」と同僚が言った瞬間、相棒は凍りつく‥
その瞬間(0.85秒後)
相棒「AB型ってやっぱり平気で嘘をつけるんですよね~」と散々攻められる。
あまりの剣幕に不思議に思ったんで、
私「なんでそんなにAB型が嫌いなの?」って聞いたら
相棒「昔付き合ってた彼氏がラーメン屋を開店したくて200万援助したら、音信不通になった、嘘つきにはAB型が多い」
私「はぁ~(マジ怖ッ‼️付き合っていた彼との接点は血液型だけですが?)」
こんなしょうもない話より、歴史上でこんな出来事がありました。
つまり、根拠なき差別を助長するんだよね(血液型性格判断からしたら、大げさなようで大げさではない)。
3.血液型性格判断の研究
血液型と性格についての研究はかなり多い(Google Scholarで血液型 性格と調べたら14200件ヒットしたよ)。
ここで、久保・三宅(2011)の研究を紹介。
この研究では、血液型とBig5との関連を調べている。
ちなみにBig5とは、人の個性は、外向性・協調性・良識性・情緒安定性・知的好奇心の組み合わせから成り立っていることが明らかになってるので、よく使われる性格判断。信頼性(何度やっても同じ結果)と妥当性(似ている性格診断でも相関(関連)が高い)も実証されている。
詳しく知りたい人👇
仮説
「血液型によって性格傾向に差があるならば,血液型間でBig Fiveの5因子(外向性,協調性,勤勉性,情緒安定性,知性)の得点に有意な差が見られるはずである。
血液型で性格が違うんだったら、Big5も血液型で違いがみられるはずってことです。
分析対象
男性149名,女性123名,不明1名
研究内容
血液型とBig5による検討
結果
外向性、協調性、勤勉性、情緒安定性、知性のいずれについても、血液型の違いによる得点差はみられなかった。
ってことは、血液型での性格の違いは無いってことです。
さいごに
ゴリラはB型だけです。となれば京大元総長の山極さんのゴリラ研究は研究する意味があるのか?
ってことで血液型性格診断は娯楽です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
参考文献
Chapman, L.J. 1967 Illusory correlation in observable report. Journal of Verbal Learning& Verbal Behavior, 6, 151-155.
久保義郎・三宅由起子(2011)「血液型と性格の関連についての調査的研究」『吉備国際大学研究紀要』第21号,pp93−100
正村俊之(1995)「コメント Ⅱ 複合現象としての 「予言の自己成就」」『ソシオロジ』40 巻 、1 号、 pp51-57