見出し画像

名参謀の誕生ーYouTubeチャンネル【ロッキミマス】の誕生 その8

スタッフのスカウト

 前回、制作サイドの人物について少し話をした。映像の佐藤亮と音楽の第1セバスチャン、立ち上げ時から中核を担っているメンバーだ。企画と台本を私が主に担っているが、企画の案は一人の頭で考えてもどうしても偏ってしまう。提案に対する修正意見(ダメ出し)を交換するのも良い企画を生むのには大切だ。

 そこで私は、6期生のある人物をスカウトしようと考えていた。

 芸人コースを出た6期生が出演するライブに行けば、だいたい何人かの一般コース生に遭遇する。それぐらい元々お笑い好きが集まっていたとも言えるし、一緒に授業を受ける中で同期を応援する気持ちが芽生えていったとも言える。

 硬派な芸人から見たら、ちょっと気持ち悪いという見え方もあるかもしれないが、芸歴一年目から少しでもファンが付いているというのは悪いことではない。それも若手芸人のファン層からはちょっと外れた年齢層もいる。ライブシーンで活動する芸人にとってファン層の拡大は重要な課題だ。

 5月某日(もはや記憶は曖昧)、同期が出演するライブでその人と遭遇した。藍色の名前でスタッフに名を連ねている人物だ。

 私はライブ後に藍色さんに話しかけ、ロッキミマスについて説明した。パイロット版の撮影を終えたばかりの頃で、この時点ではまだ芸人コース全体への告知も協力依頼もしておらず、一般コースへの連絡もまだだった。

 藍色さんはエンタメ系映画の知識が豊富でお笑いやYouTubeのコンテンツにも詳しく、ボードゲームなどのゲーム分野にも幅広い興味を持つ6期生だ。この人なら今の私たちにない方向から企画を考えてくれると期待していた。

 その場で説明して興味を持ってくれたので、詳しい説明も兼ねてカフェに入った。同じライブに別の6期生も来ていたので一緒に話すことになった。第1セバスチャンもその場に同席していた。

 藍色さんは私の思った以上に乗り気になってくれた。パイロット版の仮編動画を見てもらい、この時点での状況を説明すると、次のミーティングに参加してくれるという。かなり心強い申し出だった。そしてミーティングに参加し始めると、すぐに存在感を発揮したのだ。

企画書の誕生

 この時期の主な課題は、どうやって芸人たちにこのYouTubeチャンネルの詳細を伝えるかだった。全体のコンセプトは「タイタンの学校6期卒業生の成長を見守るチャンネル」であること、それぞれの芸人の特技やスキルが映像として残れば今後の売り込みの素材になること、そして当面は(収益化できなければずっと)出演料を払えないということなど、諸々の要素をキレイにまとめて提示する必要があった。

 ミーティングでその話をすると、藍色さんは即座に「私が企画書にまとめますよ」と言ってくれた。そしてこちらも数日と立たぬうちにPowerPointにして11枚の簡潔な資料に落とし込んできたのだ。デザインにはもちろんミマスくんやチャンネルのトーンカラーがふんだんに使われていた。

実際の【ロッキミマス】企画書

 全会一致で一発OKが出され正式に芸人コースに流す企画書に採用された。この企画書と案内文を芸人側の代表であるグコウケン2の関さんに託し、芸人たちの回答を待つことになった。

 結果、6期の芸人コースのほとんどがこのYouTubeに賛同してくれた。6期が終わって(預かり)所属になったメンバーは全員が参加してくれることになった。これはひとつ目の大きな目標の達成だった。我々のコンセプトのひとつが「みんなで作る、みんなで成長!」だったのだ。

 芸人は全員が一年目、スタッフもYouTube制作は一年目。何もわからないところから、一から作るYouTube。そこに芸人が全員参加してくれる。こんなにありがたいことはなかった。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集