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吉野ヶ里遺跡は宇宙との交信所だったに違いない (佐賀 吉野ケ里町)

古い時代の遺跡とか、神社仏閣というのは、なぜそこに作られたのかということを考えます。今と違ってどこにでも空き地があったいうか、どこにでも作れたはずだと思うんです。その中で、その場所が選ばれたのには必ず理由があるはずです。

吉野ケ里遺跡にはこれまでに3度行きました。

はじめて行ったのはおよそ10数年前の2011年頃のことです。吉野ヶ里が目的地であったわけではなく、みつせ高原や田主丸のワイナリー、太宰府天満宮に行く機会があった際に、正直「ついでに」行ったのが最初でした。ところがここは私にとってはすごい場所でした。

こうした古代遺跡というのは、静岡にある登呂遺跡が有名です。弥生時代の竪穴式住居が再現されています。吉野ヶ里も同じように、弥生時代の遺跡群の跡に、いくつかの構築物が再現、あるいは復元なのでしょうか、されています。考古学には少しばかりの興味こそあっても知識はありません。現在復元されているものがどれくらい正確な位置や構造なのかについては、僕はちょっと疑ってしまいます。図面や絵が残っているわけではないからです。



吉野ヶ里は北側には福岡市との境にある海抜1000メートルほどの脊振山を背負っています。その手前、吉野ヶ里遺跡に近い側には、高取山という海抜400メートルほどのさほど高くない山があります。一方、遺跡の南側には広大な平地が広がっていて、15キロくらい先はもう有明海です。日本国内にこうした場所は、地図を見てみるとわかるのですが、そんなに多くはありません。

北側に小高い山。その奥には海抜1000メートルの脊振山
南側には平地が広がる

遺跡内で南のムラと名前がついている場所に行き、南の方を向くと後ろにある高取山が、耳の後ろに手のひらを当てて集音器みたいにすると言うか、パラボラアンテナみたいに作用して、宇宙からの音が聞こえる、ような気がするのです。

これ、嘘じゃないです。騙されたと思ってぜひ行ってみてもらいたいと思います。

南のムラの中でも、特に物見櫓に登ってください。ここは遺跡の中では(あくまでも現在の再現された構築物の中ではありますが)は一番高い場所になります。見晴らしも一番良く、風を一番感じることができるポイントです。

北に山を背負い、南に広い平地が広がる吉野ヶ里遺跡付近の地形
吉野ケ里遺跡公園の「南のムラ」の物見櫓
復元された構築物
いわゆる教科書で見た竪穴式住居


下は物見櫓の上から撮影した動画です。この日は生憎の雨でしたので空を見ることはできませんでした。でもこの場に行くと、宇宙から何かがやってきているような感覚になります。

この動画の20秒あたりの奥には、南の祭壇と呼ばれるエリアがあるようです。公式サイトにはこうした説明があるのを見つけました。

南の祭壇
北墳丘墓(きたふんきゅうぼ)と同じように、人工的に作られた丘です。祭りに使う土器がたくさん見つかっており、中には、神に捧げたと思われる動物や鳥の骨などが入っているものもありました。また北墳丘墓から祀堂(しどう)、北内郭(きたないかく)の主祭殿(しゅさいでん)を結ぶ「聖なる軸線」の延長線上にあることなどから、祭りに関わる施設と考えられますが、中からはお墓が1基も見つかっていないこともあり、北墳丘墓のように祖先の霊を祀(まつ)る所ではなく、天の祭り(自然や暦に関わる祭り)に関する施設だったと考えられています。

吉野ケ里歴史公園

このことはこの記事を書くまでは知りませんでした。自分の直感は正しいのかもと思いました。

古代の世界中の権力者は、天文学に優れていて日食や月食、洪水などを予測していたことによって神となったのではないかと言われています。電波望遠鏡があるはずがない時代であっても、我々が鈍感になってしまったこうした感覚と経験値を論理的に構成することで、権力を手にしていったのはとても自然なことにように思います。

雑誌ムーみたいなことを言いたいわけではありませんが、忘れかけてしまったこうした感覚のほんの一部だけでも、吉野ケ里では感じることができるように思うのです。

同じようなことを、私は奈良の法隆寺でも感じます。法隆寺がある斑鳩の里も、北側に小高い山が控えています。吉野ヶ里とは異なり、法隆寺はもっと徹底的に計算された構築物です。五重塔の先端から四方八方に伸びる強力な結界がレーザー光線のように張り巡らされているように感じます。その中に入ると、余計なノイズが侵入することができず、感度が上がるような気が私にはするのです。おそらく金堂の須弥壇でこれが最も強くなるように設計されているのではないでしょうか。残念ながらもちろんそこに行くことはできませんが。

吉野ヶ里遺跡の南の祭壇あるエリアにはまだ行ったことがありません。次回の訪問では必ず行って確かめてみたいと思います。


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