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エッセイ | 幸せ舌の本領を発揮させる

いつもプロテインを飲んでいるけれど、値段もそれなりにするためどうにかしたいと思っていた。飲んでいるのはザバスのフルーティー風味で、水とトマトジュースで混ぜて飲んでいる。これがすごく美味しくて、ずっと飲んでいても飽きないくらい美味しい。

ただ高いんだ。ザバスは高い。
SNSなどでもザバスは美味しいけど高いと評判だ。安いプロテインと比べると値段は倍ほどになる。
ただ、お金がなければプロテインも飲めないわけで、特段美味しさに拘らないのであれば安いプロテインでも良いのではないかと思っていた。

・味音痴な幸せ舌

幸いなことに私は味音痴である。味音痴というと何にでもマヨネーズをかけたり、胡椒や唐辛子をかけたりといった「料理の味自体を変えてしまう行為をする人」と思えてしまうため私は好きではない。聞こえが悪いためここでは『幸せ舌』とでも呼んでおこう。

私は幸せ舌の持ち主であり、何を食べても美味しく感じる。他の人が美味しさを100まで感じるとしたら10までしか感じないようなものだ。カップラーメンを食べても10美味しい。料亭の料理を食べても10美味しい。こう比べると可哀想な舌にも思えるけれど、美味しさなんてその場の雰囲気も影響してくると思っているためさほど気にしていない。

幸せ舌の私は調味料をほとんど持っていない。家にあるのはめんつゆ、塩、青じそドレッシングだ。これさえあればなんでも美味しく食べられる自信がある。食材の味が分からなくなるからケチャップやマヨネーズはほとんど買ったことがない。もはや食に興味が無いに等しいのかもしれない。

・安いものには理由がある

話を戻そう。プロテインの話だ。
私は幸せ舌であるため、ザバスのように多くの人から美味しいと言われているプロテインでなくても美味しく飲めるのではないかと思った。そもそも食に興味が無いんだから問題ないだろう。

飲んでいたザバスのプロテインが無くなったところで安いプロテインを購入した。こちらも成分的には問題ないし、SNS上でも評判は良いのだ。別にとんでもなく不味かったり、我慢して飲まないといけないようなことはないだろう。

初めて飲むプロテインを開ける時、すごくワクワクする。どんな味なんだろう。前評判も悪くはなかった。きっといけるはずだ。

開けた瞬間に「なんか何か変な匂いするな。これがプロテイン本来の匂いなのか?」と思った。雲行きが怪しくなってきた。だが匂いだけで判断するのは早計だ。くさやだってドリアンだって、匂いはきついけれど食べれば美味しい。このプロテインにもそのチャンスは残されている。

いつも通りに飲んでみた。やはりザバスとは違う匂いがする。フレーバーの違いとか関係なく、何かがそこにいる。これが『プロテインはまずい』と言われる原因となる味や匂いなのだろうか。
ただ、我慢しないと飲めないというわけではない。この味とは共生できる。

・幸せ舌で良かった

やはりザバスは価格相応の商品であったのだと感じた。高いとか言ってゴメン。でも高いと思うのは仕方ないよな、倍するんだもん。
ただ、半額の値段で同じように美味しいプロテインが飲めると思った私自身が未熟だったのだ。

これから1ヶ月ほどは新しいプロテインと仲良くやっていくしかない。もしも自分が幸せ舌でなかったら、このプロテインを毎日我慢しながら飲むことになっていたのだろうか。

幸せ舌で良かった。


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