で、なんで静岡移住したの? #2
いざ次の章へ足を踏み入れる覚悟を決めようとした矢先、私が勤めていた部署では営業利益が過去最高でチームに2名増員予定という絶好の時期。
タスクも課題も山積みで今私が抜けると同僚にずしっと負荷がかかってしまう状態に置かれていました。
このパンデミックがどう変化していくのかも予測ができず不安もありましたがIT(WEB)という業種ということもあり、変わらず生活ができていたため、今は自分がやれる事を着実にこなし堪える時期なのかもしれない。
と私は悶々と現状維持の風に吹かれてしまったのです。
街全体が自粛の中 私はインターネットを利用しているのではなく、自らインターネット監視社会を選び逆に何者かに利用されているのかも、と懐疑的な気分でスマホをただただ眺めていました。そんな鬱屈期が来ることを潜在的に予測していたのか?(偶然です!)と言わんばかりに125ccのバイクを2019年冬に購入していたのです。
このシグさんは私の未来へ誘う案内人のような機体でした。
バイク通勤は禁止されていたため週末のおでかけとお買い物用として購入したのですが、それ以上の役割を果たす事を後から痛感しました。
125ccなので高速は走れません。
ただそれなりに速い(100km/hは余裕で出ます)このシグさんに乗って世田谷から下道でのんびり走って長野にソロキャンプに行ったのは最高の思い出です。
10代からバイクが好きでした(このシグさんは5代目)しかし東京はバイクに寛容では無いです。
バイク駐輪場が無いところばかりで月額費用も決して安くは無いため
バイクを持つ事を一度は諦めた時期もありました。
引っ越ししようにも停めれるところを条件に入れるだけで1/10くらいの物件数になってしまいます。
ですが、バイクがある暮らしと無い暮らしの違いを知っている私にとって
リターンライダーとなった私は確かな必要性を感じることになります。
で?
時は経ち2022年
私は『もっと走りたい、いろんな所ですごい景色が見たい』
というシンプルな欲求から余裕があるわけでも無いのに生活の一部を削ぎ落としてでもバイクをアップグレードする(ライダーとしての人生に投資)ことにしました。
DOGGOさんと名付けました。
シグさんからDOGGOさんに魂の移管をし6代目の相棒です。
機動力しかり乗り心地や安定感も本当に素晴らしい。
林道や峠道のワインディングから長距離のツーリングまでどこにでも行けそうなフィーリング。
DOGGOさんの登場は人生における大きな特異点となりました。
この期間に現在のパートナーと順調に交際が進んでいた事もあり
タンデムで群馬、長野、新潟、神奈川、千葉と晴れた週末はほぼ東京にいない生活になりました。
たくさん走っていて特に強く感じたのが
静岡の風です。
もう
グッと来た
以外説明が難しい。
でも説明はできるだけします。
東名って西向きってめちゃくちゃ混雑しますよね。
環八、海老名、御殿場でほぼ確実に。
都会の騒動から離れ癒しを求めて伊豆スカイラインでも走るか〜
と出かけたものの早朝に世田谷を出ないとクラッチで左手が辛すぎる大渋滞に巻き込まれてしまいます。
何度味わっても気分の良いものでは無いです。
私は渋滞苦手です!
と我慢しながらも少しづつ進んで箱根の山を超えたあたり(小山足柄)に差し掛かると風(空気?)がスッと変わるんですよね。
バイクだと生身体をさらけ出しているのでそれが良くわかるんですよ。
あっ、何これ 気持ちぃ。。
となりまして、その時静岡に行ったのは初めてな訳では無いのですが
その時の心境やDOGGOさんの力やパートナーが付き添ってくれて共感してくれた事やいろんな要素が一つになって最高な気分だったのを覚えています。
それから伊豆半島は海沿いの道を走り続けて下田へ向かったのですが、それはそれはとても良いツーリングになった訳です。
静岡の風は 将来の生き方を呆然と悩む私にとって
それはそれは優しく、そして力強く、ほこりを吹き飛ばしてくれる風でした。
そこで私はパートナーに
『東京での暮らしや今の仕事も辞めて2人で静岡住む?』
と溢れるように言ったんですよね。
そしたら汲み取ってくれました。
ですので私は今、
静岡に居ます。
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