『火車』で知るクレジットカードと多重債務の恐怖|多重債務者は真面目に暮らしている人がなりやすい
『火車』を読みました。宮部みゆきさん作の小説です。主役は休職中の刑事さん。親戚から頼まれた人探しをする中で、対象者に自己破産の経歴があることがわかり、さらに調査を進めていくと、破産した人を殺して、その人に成りすましているのではないかという犯罪の影にぶちあたるのです。
いったい、誰が殺されて、誰が成りすましていたのか。それを解決する物語です。この物語は推理ものミステリーではありますが、借金の恐ろしさも同じように説いていますので、そこも読んでいて勉強になりました。
オーディブルで聞きましたので、朗読するのは三浦友和さんです。三浦友和さんといえば、百恵友和コンビでヒット映画を連発させていましたね。そして山口百恵さんと結婚されて段差さんでもあります。インタビュー動画もありました。
本書を読むとよくわかりましたが借金を背負う過程が描かれていて、多額の借金を背負うのは、お金にルーズな人ばかりではないようです。
それよりも、毎日を一生懸命生きる真面目な人ほどその罠にはまってしまうのだなと思いました。
本編の内容は小説にゆだねるとして、ぼくは本書からクレジットの歴史などがとても興味深かったので、そのあたりを絡めて書きたいと思います。
クレジットの歴史が興味深い
クレジットは今ではなくてはならない決済方法ですが、そのクレジット払いができる前は割賦と呼ばれていたようです。今でも割賦契約という言葉が残っているように、クレジットとは日本語では本来割賦契約や、割賦で払うことを指しています。そんな説明を冒頭の方でしていたのがとても新鮮でした。
だって、今やクレジットカードは一般的すぎて、みんな普通に使っているので、初めてクレジットカードができたときなど誰も知らないのではないかと思います。
まず、割賦契約ですが、これは昔からありました。これはモノを買うときに現金一括ではなくて、分割で支払う選択のことをいいます。
そして1960年初の日本発のクレジットカードが作られました。最初のカードは丸井によって作られたようです。
本には最初のクレジットカードと書かれていましたが、どうやら当時は使われ方が今とは異なっていたようです。昔は、商品を割賦契約で買っていただき、支払いが終わったときに上記のカードが発行されたようです。
このカードを提示すると1回だけ、特典を得られたようです。今のクレジットカードとは全然ちがいますね!
本当の意味でクレジットカードが作られたのは、1961年に日本ダイナーズクラブとJCBと共同で作られたクレジットカードのようです。
これこそ日本初の汎用的なクレジットカードのようなのです。
当時、というか今でもですが、JCBは日本クレジットビューロの略称ということを知る人は少ないのではないでしょうか。カードだけみれば日本初のクレジットカードはJCBカードと言ってもおかしくないですね。
そして、その裏にはダイナーズクラブが支えていたとは驚きです
VISAカードなどは、1958年生まれで日本初のクレジットカードよりも早いです。しかし、日本に入ってきたのは1968年だから日本で見ると後発のようですね。
当時なかった3つの民間金融(クレジット産業)が高度成長期をささえてきた
民間金融業界というのが高度成長期をささえてきたようです。その時のクレジットとして代表されるものが消費者信用です。それは下記の3つに分かれていたようです。
販売信用 ・・・カードを使った買い物
消費者金融 ・・・預金を担保にした貸付
消費者ローン・・・サラ金やクレジットを使ったキャッシング
さらに販売信用は割賦方式と非割賦方式に分かれています。
割賦方式 ・・・ 信販系クレジットカードは分割払いが効く
非割賦方式 ・・・ 銀行系クレジットカードは分割払いが効かない
上記はカードによるものと、個品(商品ひとつひとつ)に分かれます。
平成元年(1989年)のときでさえ
割賦方式の売り上げ ・・・12兆円
非割賦方式の売り上げ ・・・12兆円
消費者金融 ・・・33兆円
合計すると、57兆円 となります。当時の国家規模の予算と同じくらいになっているのはすごいです。
もはやこうなってくると、クレジットの時代は止められませんでした。
現代は、自分の夢(幻を含む)をかなえる方法がありすぎる
ここに出てくる破産する人は最初は、少額で分割ローンなどを組んでいました。しかし、それが雪だるま式に増えています。1枚ごとのクレジットカードでは与信は厳しめに行われます。しかし1枚ごとなので複数のカードを所持できてしまいます。
そのカードを使って、いろいろな買い物を重ねることができてしまうようなのです。これが多重債務者の入口です。
クレジットカードができるまでは多重債務者に陥りにくかったとも言えます。
自分の身の丈以上の買い物をするという夢は夢見るしかなかったのです。自分の身の丈よりも高い生活を望んでも、お金を借りる手段は限られていたからです。
しかし、現代になって、クレジットカードを持つことができると、一瞬でも自分の夢を買うことができるようになりました。ただ、カードの使い方を誤ると借金を返すために借金をしたりを繰り返してしまうことになるのですが。
最初はほんの些細なことだけど、ちょっとのことのつもりでも、それが積み重なると首が回らなくなります。それは、真面目な人がなりやすいようです。そこで逃げずに何とかして返そうと考える人がなっていくからです。
#3行日記 :平日はデュラハンで3キロ走った
今日もデュラハンに乗りました。3キロです。はっきり言って物足りませんが時間がないのでやらないよりマシという感じです。でも最近の土日のデュラハンは10キロ走りました。デュラハン最高です。
え、デュラハンって何?という質問でしょうか。なんかどこかで聞いたような?でしょうか。
あ、すみません。最近、はたらく魔王さまにはまっていまして。笑
#1年前 :祖母の夢をみたようです
1年前は祖母の夢を見たようです。祖母はたまに夢に出てきていました。そのたびに懐かしくてちょっと泣けてきました。最近はあまり見なくなりました。見なくなったは前向きに考えた方が良いかもしれません。
故人を忍ぶのも大切ですが、生きている人は前を向いて進むことの方が大切だからです。
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