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罪を通して描かれる人間の本質とは?一穂ミチの直木賞受賞作『ツミデミック』を読んで

一穂ミチさんのツミデミックを読みました。2024年上期の直木賞受賞作品です。この7月に受賞されたと記憶しております。

オーディブルで聞きました。その時にすぐ読もうと思ったのですが、オーディブルがまだ準備中でしたので、ちょっと待ってようやく読むことができました。

早速読んだ感想を書いてみたいと思います。


レビューに行く前に・・・『スモールワールズ』も面白かった!

『ツミデミック』を読む前に『スモールワールズ』という作品も読みました。本書も一穂ミチさんの作品です。短編集なのですが、その短編同士の絶妙なるつながりが魅力の一冊でした。こちらもおすすめです!

『ツミデミック』はコロナの時代に生まれた作品

最初、本書のタイトルを見てどういう意味なんだろうと不思議でした。おそらく数年前ならピンとくるかもしれません。もしかしたら、ピンときてないのは自分だけかもしれません。それだけ忘れやすいのかも自分・・・。

『ツミデミック』はツミ+パンデミックの造語のようです。おそらくコロナ真っただ中であれば、コロナに関係ある内容なのは想像できたのかもしれません。

ただ、タイトルはパンデミックを連想させますが、小説の中では『罪』がテーマになっています。

『罪』を題材にした短編集

誰しも、人に言えない罪があるものです。短編のそれぞれのタイトルは次のようになっています。

違う羽の鳥
ロマンス☆
燐光
特別縁故者
祝福の歌
さざなみドライブ

それぞれ異なる罪が出てきます。軽い罪でハッピーエンドとなる結びのものから、ボタンの掛け違いからの取り返しのつかない大きな罪まで。

中には、知らなければよかったという罪もあり、人間の業の深さを知りました。

特にお気に入りなのは『さざなみドライブ』

短編集の場合、力作ほど前にくるのか・・・、後ろになるのか・・・。その法則はぼくにはわかりませんが、自分の中の一番は『さざなみドライブ』です。

ある目的をもって集まった成人した大人たち。目的を達成するために集まり実行しようとします。絶望の淵にありながら集まるという設定だと、なんとなく目的が予測できてしまうのですが、ほのめかしネタバレになってしまいすみません🙇

そこで感じたのは、そんな絶望の感情も、人同士が集まって話をすると、元気が忘れてしまい元気が湧いてくるものだなと思ったことです。人同士というのは、家族や友人だけではないです。他人でも構わないのです。

人と人が触れ合うと元気がでてくる。明日への希望が見えてくるのだなと思いました。人は寄り添って、互いに協力し励まし合って生きていくのが不変の事実であることを学んだ気がします。

『燐光』は見かけでは判断できない人知れずの闇を照らし出す

『燐光』の展開は怖いものを感じました。穏やかに見える人生も人知れず悩みを抱変えている人はいるのだなと思いました。見た目だけで判断してはいけないことを印象付けられた話でした。

普段何気なく過ごしているような人でも、もしかしたらその人は人生のがけっぷちに立たされていたのかもしれない。生きている人はそれぞれ悩みがあるし人知れず悩みを持っていたりします。

悩んでいるのは自分だけではないということがうかがい知ることができました。

どの作品も罪について考えさせてくれるものですので、一読すると人知れず悩んでいることの解決方法も見えてくると思いました。

3行日記:ストック記事が減り続けています

別件で忙しくなってしまい、ストック記事が減り続けています。その記事が減ると記事が書けて無いなぁと思う自分がいます。そんなときのためのストックなんですけどね。不思議ですよね。笑

1か月分くらいあったのですが、あと20日分しかありません。そう感じるのはちょっと変?笑

1年前:ドラマ『セクシー田中さん』を楽しく視聴していたようです

1年前はベリーダンスのドラマを見ていたようです。このドラマと原作は面白くて僕はお気に入りです。悲しい事件になってしまったのですが、世に出た作品に罪はないです。

でも、その過程はいろいろと問題があったようです。少しでも原作者さん、また編集者さんの置かれる環境が良くなれば良いなと思ってます。上の方はお金儲けだけで突っ走らないでほしいなと。でもお金稼がないと皆を食わせていけないのはわかりますけども。

実際の現場を見たわけではないのですが、いろいろと解決すべき課題がまだまだありそうですね。

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