ソフトバンクといえば携帯電話だけど、もっと以前から事業を営む日本を代表する事業家だった|『志高く 孫正義伝 決定版』を読んで
また一冊本を読みました。孫正義さんを描く「志高く 孫正義伝 決定版」です。2004年刊行後、何度も刊行修正を重ね2020年に決定版として発刊されたものです。
孫正義さんご本人の2日のインタビューと近くでの活躍を見てきた井上篤夫さん作による集大成です。本人の自叙伝ではないのものの、孫正義という人がどのような歩みをしてきたかが良くわかる本でした。
孫正義と聞くと、ボーダフォンがソフトバンクに代わったら孫正義さんが社長になった。携帯電話の人。のような印象ではないでしょうか。しかし、本書を読んだら見方ががらりと変わりました。
ソフトバンクという携帯電話会社がでてきたのは、孫正義さん夢の実現の途中の1コマであって、彼の志は本書のタイトル通りおそろしいほど高く。まだまだ道半ばということがわかりました。
これまで世界のITの躍進をささえてきた企業で、GAFAM(ガーファム:Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)が有名です。ぼくは、この中にソフトバンクを加えてもおかしくないと思いました。
いうなればGAFAMS(ガーファムズ:Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft, Softbank)といっても過言ではないのではないでしょうか。
この記事では、本書を読んで印象深かったことを列記していきたいと思います。
孫正義は韓国人:無番地出身の超絶なる逆境に住まう
孫正義さんの苗字は少しユニークかもと思いませんか?孫という苗字は韓国人に多く、孫正義さんは韓国人なのです。しかし、日本で育っています。当時は日本の無番地というところに住んでいました。
生粋の日本人であれば、住んでいるところに住所があります。孫さんはそんな住所もない、戦後間のないころのバラックに住んでいたのです。バラックは番地がないところです。海外でいったらスラム街でしょうか。日本にもあったのです。
一度貧困になると、なかなか抜け出せない貧困層。孫さんは貧困層といっても過言でないくらいのところ出身だったのです。
流暢にしゃべる英語も、当時は全然話せないのでした。しかし、その逆境はもちまえの明るさで乗り越えていくのでした。
孫正義は発明の人・アイデアの人・借金にへこたれない人
孫正義さんのお金の稼ぎ方は尋常ならざるものがあります。ビジネスの才能もすごいのですが、その発明力もすばらしく、アイデアというかチャンスももののにします。そして、借金に対して全然へこたれません。
電子辞書で4000万円を稼ぐ|世界初の電子辞書
孫さんの発明で特筆すべきは、翻訳機でしょう。電子辞書と言ったらわかりやすいかもしれません。シャープの電子辞書など有名ではないでしょうか。
この電子辞書を発売するにあたり、孫さんの自動翻訳機のアイデアがもとになったということです。このアイデア提供で4000万円を稼いでしまったのです。孫さんは、当時19歳の学生でした。
日本で廃れたアーケードゲーム機をアメリカに持ち込んで億を稼ぐ
孫正義さんは、学生時代はアメリカの大学に留学します。その際もアイデアで大きなお金を稼ぎます。中でも有名なのが世界をまたにかけたゲーム機転売ではないでしょうか。
当時日本では、アーケードゲームが流行していましたが、古く飽きてきたゲーム機が余っている状態でした。でもその流行は日本に来てそこで廃れただけ。孫さんはアメリカに持ち込んだら絶対に儲かると思ったそうです。
そこで、あの手この手を使って日本で使い古されたゲーム機をアメリカに輸入して、喫茶店のようなところに置いたのです。当時は、こんなものアメリカ人の性に合わないということで誰しも反対し、置く店などなかったそうです。
おもしろいエピソードがあり、それを店に置いたとたん壊れてしまったことがありました。全然動かないのです。クレームを読んで確認したら、お金入れの中に25セント効果がいっぱいになって動かなくなってしまったのだとか。
実は、それくらいの人気があったゲームだったのでした。それから軌道に乗り1億円以上を稼いだのでした。
商売では、失敗も失敗し、数千万の借金の後には数億の借金。でもへこたれない
ここまで書くと、なんとも順風満帆に見えますが、それ以上に失敗もしています。事業では数千万、数億を儲ける偉業の裏には、数千万円、数億円の負債を抱えることもあったのです。
これら先ほどの成功談の前や後には、それ以上の負債があった上で乗り越えていっていることを忘れてはなりません。
4000万円の成功を出す前には、お金が全くなく困っていました。
数億円の儲けを出した後に十億円以上の負債を抱えています。それでも孫正義さんは、めげることなくあくなき挑戦をするのでした。
ソフトバンクの歩みは隠れたところですごい活躍をしている
ソフトバンクは、2007年当時にボーダフォンからソフトバンクになるときに、初めて名前を聞いたことと思います。これには1.5兆円による買収劇だったようです。
それまでソフトバンクはずっとあったのですが、事業は別の会社を作り、手がけてきました。ソフトバンクの看板を掲げて失敗するとそれ以上躍進ができなくなると考えていたからです。
でも、いつかソフトバンクの看板を掲げて事業を行うと決めてました。その夢がかなったのが携帯電話会社でした。この世はコンピュータが変えていく。そしてパソコンからモバイルデバイスにコンピュータの発揮場所が変わったところで、これだと思いソフトバンクを表に出していったのです。
ソフトバンク:すなわちソフトウェアの銀行
ソフトバンクの社名の由来はソフトウェアの銀行です。多数のソフトウェアを取り揃え流通させるのが主な事業でした。もともとは出版事業が主な発展の場だったようです。
Oh!PCやOh!MZ
これらパソコン専門誌はご存じでしょうか。昔はコンピュータの雑誌といったら総合誌で、広く薄くの内容でした。同じような雑誌を展開しても大手に負けてしまうということで、パソコンの機種に特化した雑誌を出しました。これはヒットして、ファンを獲得したのです。
ヤフーを設立
ヤフーを設立しました。当時は検索エンジンでも成功してましたが、孫正義さん的には、ブロードバンドの拡充が大きな発展でした。
ブロードバンドはナローバンドの対義語です。当時はそれだけネットワークが遅かったのです。それをさらに発展させたブロードバンド。ヤフーはヤフーBBを提供し始めました。今でもヤフーBBはサービスを継続しています。
SBI証券の礎を築いた
SBI証券といえば、日本で最も成功しているオンラインの証券会社です。このSBIの文字が良くわかりませんでした。調べてみると「Strategic Business Innovator」(戦略的事業の革新者)らしいのですが、実はその前は「SoftBank Investment」の略だったようです。
1990年代後半に、ソフトバンクは金融業にもビジネスを拡大してSBI証券の元を作ったのでした。今はソフトバンクグループから離れているのでSBIの文字はソフトバンクとは関係ないのですが、こんなところにもソフトバンクの影響はでているのです。
日本のブロードバンドの次は世界のブロードバンド拡充に
日本のブロードバンドの拡充に成功させたら、次は世界にも目を向けました。ソフトバンクといえば、世界のインフラ会社にしたかったのです。そこで目をつけたのがアメリカのスプリント社です。
スプリント社は当時アメリカで第4位の通信会社でした。日本のソフトバンクの帯域と非常によく似ていたのでそのまま拡充ができると踏んでいました。そして買収を成功させ、当時落ち目であったスプリント社も見事復活させたのでした。
その後第三位のT-MOBILE社を買収しようしましたが、失敗しました。結局アメリカ側の現地企業の方でT-MOBILEとSPIRINTは合併し別会社になりました。
影響力は薄くなってしまったものの、アメリカで携帯電話を使う際にはソフトバンクが有利になっています。
その後はAI事業を手掛けて今も発展中
その後は、AI事業を手掛けています。アーム社を買収し、ペッパー君も生み出します。ペッパー君は2015年くらいにいろいろな店舗でサービスしている姿が記憶に新しいです。
アメリカにいくとわかるソフトバンク携帯の使い勝手が良いことこの上ないこと
ソフトバンクの携帯サービスで「アメリカ放題」があります。アメリカに行くときは、下手な格安シムよりも、日本でソフトバンクを契約する方が実に便利で安くできます。
例えば、日本でギガ放題に入った状態で、アメリカにいくと、その携帯電話は日本といたときと同じように使えます。電話をかけるのにも、ネットをするにも日本と同じように使うことができます。T-MOBILE+スプリント回線につながったときに限られるのですが、いろんなところでつながります。
しかも、現地でのギガ放題はギガがなぜか減りません。最低料金でできてしまうのです。だから、アメリカに住む日本人は結構ソフトバンク携帯の方が多いです。
これもスプリントを買収してサービスを拡充したからできたのでした。
1年前:社内ベンチャーも捨てたものではない
サラリーマンでも、自由に仕事をして自己実現をしている方の本を読みました。このような生き方もあるのですね。
6割承認という考え方はステキです。何か革新的なことをしようとしたとき、両手を挙げての承認なんてないです。むしろ、俺は知らんけど勝手にやれば的な無言の承認。この状態で十分なんだとかです。
振り返ってみるとおもしろい発見がありますね。
3行日記:今日の3行日記はおやすみ
分量が多くなってしまいましたので今日の3行日記はおやすみです。もう、時間がなくて焦っている今がいます。焦る必要などないのですがW。
ということで3行日記はお休みでございます。
最後まで、読んでいただきありがとうございました。
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