たった1年で”ケガが来る”接骨院の開業戦略
※以前投稿したものの内容等を見直し、販売したものになります。
いつも私の投稿をご覧下さり、ありがとうございます。
前回の記事の投稿から2年も経ってしまいました…
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、2023年6月14日に千葉県佐倉市に「石本接骨院」をオープンしました。
今までは雇われで、外傷もバンバン来院する環境での発信だったため、まずは自分の実績作りということでBtoBの発信をしばらく控えておりました。
オープンから1年が経過しお陰様でたくさんの経験と実績を作ることができています。
これから少しづつ発信を再開していきたいと思います。
当院は一般的な接骨院と比べて「無い」ものがたくさんあります。
・自賠責患者ゼロ(これは意図してませんが…)
・高齢者の来院は全体の5%以下
・施術の回数券販売無し
・骨盤矯正等の慰安施術無し
・EMSで体幹を強化するコース無し
・接骨院で売る必要ある?の物販無し(ファスティング等)
・介護、美容分野での収益の柱無し
これだけ見たら「何で売上上げてんの?」って思いますよね。
接骨院のコンサルとかからしたらやる気あんの?って感じです。
私もそう思います。笑
でもそれで良いんです。むしろそれが良い。これがやりたかった。
“もう接骨院に外傷なんか来ないよ“なんて言われているこの令和の時代。
だからこそ外傷一本、裸一貫で戦ってみて、生き残れなかったら本当にこの業界終わってんな、と業界を辞める位の覚悟でこの1年戦いました。
結果、いける。
全然外傷特化で戦っていける。
地域はケガを見てくれる接骨院を求めてる。
しかもやっててめっちゃ楽しい。「柔整やってるー!」って感じです。
やっぱりこのスタイルは間違っていないんだ、
柔道整復師や接骨院として本来在るべき姿でいて良いんだ、
と確信した1年でした。
今回久しぶりにnoteを書こうと思ったのは、業界内ではマイノリティであるものの一定数いるアツい「外傷をみたい柔整師」「外傷特化の接骨院を開業したい柔整師」に向けて、この1年苦労したこと、どうやって外傷が来るようになったのか、などを共有したいと考えたからです。
本当に苦労しました。目先の利益に走りたいと何度も揺らぎました。
家族にもたくさん迷惑をかけました。
でも確固たる信念・理念の元、1mmもブレずにやってきたおかげで多数の骨折や脱臼、ギプス巻きや肘OCDや腰椎分離症などの医師連携など、”接骨院”として地域医療に貢献できています。
私は頼れる人的パイプはゼロでスタートしました。
縁もゆかりもない、全く知らない土地に開業したからです。
地元の家族や友人を頼ることなく、全てがゼロの状態から「この外傷特化型接骨院というビジネスモデルが間違っていないんだ」と証明するために。
だから私が経験してきた成功や失敗は、これからこのビジネスモデルでやっていきたい柔整師にとって非常に活きる情報だと思います。
普通に考えたら院の経営・運営ノウハウなんてまず知ることが出来ません。
パクられて競合が出てくるからです。
※お金を払って知ることができる接骨院や治療院のコンサル情報はほとんど「慰安サービス」です。コンサル側に外傷を見てきた人がいないからです。
でも「外傷特化」のビジネスモデルは違います。
なぜならやれる人が少ないからです。そもそもパクられない。生半可な覚悟じゃこのビジネスモデルは選ばれません。
もし仮にこのnoteを見たところで、外傷を見ることができないor興味がない柔整師にとっては全く価値の無いnoteに過ぎません。
このnoteは2部構成の「前編」です。
前編:外傷特化型接骨院開業前の資金調達、コンセプト設計〜各種手続きなど
後編:開業後集客を中心にケガを呼び続ける方法
すでにオープンされている方は、知ってるよ、という情報も多いので不要だと思います。ただ「やっぱり接骨院として外傷見ていきたいな」と方針転換をお考えの先生には参考になると思います。
バリバリ外傷を見るつもりでオープンしたのに、理想と現実のギャップに揺らいでしまい、目先の安売りで集客して気付けば、その辺の接骨院と変わらない。
いったい何のために開業したんだろう…
こんな目に遭わないで欲しいんです。
もしあなたが、
・初月から新規〇〇人集客!!
・3ヶ月で月収7桁達成!!
・交通事故〇〇名集客!!
のような情報やノウハウをお求めでしたら、読み進めるのを辞めてください。
このnoteでそのような情報は一切出てきません。
もし知りたいなら、大手グループ院がやっている銭ゲバ見学会にでもいって大手会社のカモになるといいと思います。
つい先日SNSで某大手グループ院さんの新規オープンで「初月◯◯◯◯万円達成の極意を現地で見てみませんか?」といった趣旨の投稿を見ました。
大概の利益化の仕組みは想像つきますが、1人院を開業しようと考えている先生は決してこんな見学会には行かないでくださいね。まず規模感も資金面も何もかも違うので何の得にもなりません。弱者は弱者なりの戦い方を知りましょう。
話は逸れましたが、、
これらの情報はほとんど市場に出回っておらず、しかも成功や失敗の“実践”と“経験“を伴う貴重なものです。
情報過多な昨今、成功事例は売ってても失敗事例はなかなか知ることができません。
私は成功か失敗か、どちらが多いかと言われれば圧倒的に「失敗」が多いです。
だからこそ失敗から学び、反面教師的に成功パターンを知ることができたのです。
すでに外傷バリバリで集客しなくても外傷が来るようなベテラン先生のポジショントークよりも「実績無し・人脈無し・資金力無し」の若造がどうやって結果を出してきたのか興味ありませんか?
このnoteが近い境遇のあなたにとって、参考になれば幸いです。
それでは時系列を追って、振り返りながら進めていきたいと思います。
1、あなたは何のために開業したいのか?
そもそも何故あなたは開業したいのでしょうか。
「漠然と開業するものだと思っているから?」
「お金を稼ぎたいから?」
「自分のやりたいことを自由にやりたいから?」
はたまた、
「会社が売上のことばかりで嫌気が差したから」
「回数券を売るよりもっとやりたいことをしたいから」
「患者さんの“タメ“になりたいから」
いろいろと想うことはあるでしょう。
私自身も柔整師は漠然と開業するものだと思って下積みを続けていた1人です。しかし柔整師の働き方が多様化してきた昨今、開業を選択する人は少なくなってきています。
養成校の学生の多くは、授業では外傷について学ぶのに、先生からそもそも外傷なんか来ないと教わり就職先の選定は給料面や職場環境などで選ぶことがほとんどのようです。
養成校の授業で某有名整体師を呼んで「全治療家必須のスキル!」と発信している専門学校を見たときは世も末だなと思いました。
以前、就職セミナーのブース出店のお手伝いをさせていただいた際、出店しているグループ院のほとんどが「初任給30万!」「有名人多数来院!」のような華々しい文言とともに、半被を着てまるでお祭りかのような賑わいようでした。
私たちは「エコー体験できます!」「ギプス巻き体験!」と柔整師なら飛びつくと思っていた外傷メインのブースで、どれくらい賑わうかと思いきや当日はまさかの柔整師1人。笑
しかも体験にきたほとんどは鍼灸師…ギプス巻けないじゃん…笑
今の学生は外傷に興味無いんだなあと寂しくなった1日でした。
話は戻りますが、こんな柔整業界であなたは何故開業するのでしょうか。
どんな院を作りたいのでしょうか。
怖い現実を突きつけると、開業はリスクがあります。
1000万近く借金をして、上手くいくかどうか分からない不安の中、開けてみれば患者さんは全然来ない、電話も鳴らない、日に日に減っていく通帳の中身。
雇われ時代にやりたくなかったポスティングを結局やる羽目になったり、新規を集めるために初回無料やワンコイン施術のように安易に安売りに走り、患者さんが来るようになっても薄利多売で疲労する日々。
気がつけば「あれ…雇われてた時と同じことしてるじゃん…」「これ俺がやりたかったことと違う…」なんてこともあるでしょう。
この現実を聞いて「やっぱり自信無くなってきたな…」と思ってしまったなら、あなたが開業するのはまだ早いのかもしれません。
始めてしまってからでは引くに引けません。
本当にあなたは開業したいのですか?
雇われてた方がやりたいことできるんじゃないですか?
2、経験してないことは出来ない
開業すると雇われ時代の縛りから解放されて、何でも好き自由に出来るというイメージをお持ちの先生も多いんじゃないでしょうか。
実は違います。
いくら自由だとしても下積み時代に経験してないことはほとんど出来ません。仮にアイデアがあっても実行出来ず、資金力も無いから成功か失敗か分からないものに投資する勇気が出ないからです。特に接骨院業界に限っては特にそうだと思います。
開業するとむしろ、今までやってきたことをよりブラッシュアップしなければいけなくなります。自分が持ちうる武器の攻撃力や精度を上げて、強大な敵に立ち向かうイメージです。
初めて戦うボスを前に普段使ったことの無い武器を選びますか?
魔法使いがハンマー使いますか?
屈強な戦士が回復魔法で立ち回りますか?
使い方が分からない武器で挑みますか?
いつも使い慣れた武器かつ自分の得意な戦い方で敵と対峙していくと思います。
つまり外傷特化の接骨院を開業したい先生は、そういった環境で働いてこなければケガを見ることは出来ません。骨盤矯正や〇〇剥がしみたいな施術しかしてこなかった先生が、ケガを見たいといって開業しても武器は骨盤矯正しかないのです。
そもそも、そういう武器しか無い先生はケガを見たいという思考にならないので問題無いと思いますが、私が言いたいのは、
エコーもろくに使えない、ギプス巻けない、骨折脱臼の整復経験ない、みたいな先生は今のうちにこれらの武器を出来るだけ高いレベルで身につけておいて下さい。
実際に開業すると感じますが地域の評価はかなりリアルで残酷です。
たった1件誤診や見逃し、不適切な処置をすると瞬く間に噂が広まり、院の評判は地に落ちます。いろんな接骨院や整形外科に行かれている患者さんは目が肥えています。その地域内で圧倒的な技術と経験の差を見せつけるくらいでないと、新参者がシェアを奪って行くことは至難の技です。
開業まで時間に余裕のある先生は、まず自分の武器である様々な技術や経験を紙に書き出してみましょう。
それらが開業しようとしている地域の中でダントツに優れていると感じれなければ、開業はまだ早いです。今の職場を変えるか、外傷の経験を積める雪山研修に行くか、はたまた外傷セミナーを受けるなどしてもっと武器を磨きましょう。
外傷特化型接骨院は地域にひとつあれば十分です。何件もあると患者さんがどこに行っていいか迷ってしまいます。つまり地域で唯一無二の接骨院であるためには「ダントツ」の技術でなければならないのです。
これでいっか、で出来るほど外傷特化のコンセプトは甘くありません。
一度広まった噂や口コミの「あそこはヤブだよ」のレッテルはまず剥がせません。せっかくリスク背負って開業するのに、目も当てられない状況にならないように、いったん振り返って自分の技術を見返してみましょう。
「それでも外傷特化のコンセプトで行くのか?」と。
3、外傷×〇〇がいきなり上手くいくと思うな
前職の院長から「安定経営は複数の収入の柱を持つこと」と教わりました。
そういった環境からか開業を考えている後輩たちは「接骨院と介護を抱き合わせてやろうと思います」とか「美容鍼で利益出しながら接骨院やってみたいです」という声を聞きます。
私の経験からこういった考えの先生にはっきりとお伝えします。
絶対に接骨院をおざなりにします。
鍼灸師だったりケアマネージャーの資格を持っている先生は確かに、接骨院と何か別の媒体を抱き合わせた複合施設を作れます。
ですが開業当初、一般的にはいきなり複数人雇用できるような人件費は捻出出来ません。いきなり大きなテナントや複数のテナントを借りて複合的なサービス提供も固定費を考えたらなかなか出来ません。
時間も限られている、1人ができる労力なんてたかが知れている。
さらにその地域に新規に参入してきた先生の院について、何も知らない地域の方々は先生が「何屋なのか」を見定めます。
外傷見たい、と表立ってアピールしてても実態は美容鍼だらけだと地域には「美容鍼屋」のイメージがつきます。
外傷見たい、と言いつつケアマネージャーとしての活動に精力的であれば地域の高齢者支援のニーズが押し寄せてきます。いつしか外傷ではなく介護保険を使用した安定収入を得ながら慰安施術を行う日々となり「介護屋」の印象がつくでしょう。
結局のところ”外傷を見たい”というブランディングをしたいのであれば徹底して外傷を見続ける「接骨院=ケガ屋」の行動をしなければいけないのです。
そういった接骨院としての”地肩”がある状態で横にビジネスを展開していかないと、間違いなく利益率や労力の楽さを選んで接骨院をおざなりにするでしょう。
スポーツ外傷を見ることになれば患者層は必然的に学生が増えます。千葉県佐倉市は高校生まで市の助成があり窓口はなんと「200円」です。10人ケガを見ても2000円です。私自身想定していたシミュレーションよりも遥かに売上が低く、面食らいました。
新規を集めるのも大変なのに、来てもなかなか売上が上がらない。
それが何ヶ月も続いたら利益率の高いメニューをやりたくなる気持ちは想像に易いですよね。
「いやいや、私は覚悟を持ってやりますから」という先生が早めに方針転換する様を嫌というほど見てきました。
だから外傷特化の接骨院を作りたいなら、もうひとつの武器はまだ”しまっておいて”、接骨院としてのブランディングを数年かけて作り上げましょう。
別の武器と抱き合わせた複合サービスはそれからでも遅くないはずです。
あともうひとつ、昨今の業界に言いたいことは、
「ケガやスポーツ障害を自費でやるな!」です。
一般外傷やスポーツの怪我は「保険適応」です。保険を使ってケガの治療を受けることは日本国民全員に与えられている平等な権利です。
それを利益ありきで「なんとか整体」のように患者さんを集め、大したことない施術でなかなか治らず困っている患者さんがたくさんいます。
理学療法士が経験を活かして整体院として開業してケガを見ている院が近所にもあります。そもそも外傷を扱っても良いのは「医師と柔道整復師」だけですからね?
ケガを見たいのであれば、当たり前のこととして保険を使った土俵で戦え、と思います。
まずは”外傷屋”として突き抜けましょう!
4、開業場所選定のポイントと思わぬ落とし穴
さてここからは実際にオープンするまでの準備段階の話をしていきます。
開業場所の選定は最も重要なポイントです。ここを安易に考え、たまたま良いテナントがあったからというノリで決めてしまうと大失敗する可能性があります。
開業場所の決め方は順番があります。
何県か?→何市か?→何町か?
のように段々と絞っていく決め方です。
まず何県でやるか、という点での選択肢は2つ。
・地元で開業(自分もしくは配偶者の)
・地元以外で開業
地元で開業して生まれ育った町に貢献したい、という理由で漠然とこう考えている方が多い印象です。なかなか土地勘の無い地元以外で開業するのは怖さがありますからね。
地元で開業するメリットは、
・オープン直後に家族や友人達が来てくれる
・知人間で認知が広がりやすい
・土地勘がありマーケティング戦略を立てやすい
・母校にアプローチして外部活動などから学生を集客しやすい
など
私自身は地元以外で開業しましたので、地元で開業したらこんな感じなんだろうなーと感じた項目です。
やはり開業後の一番の悩みは「認知されていない」ことです。技術の有無やコンセプトの良し悪しは開業直後の集客には一切関係ありません。オープンでスタートダッシュを切るためには、いかに認知活動を行えたかに左右されます。
大手のグループ院は、この認知活動に相当のお金と人員を投入できるので初月〇〇〇〇万円!みたいな数字が可能です。
ですが私のように認知活動にかける十分な資金力が無く、ポスティングやビラ配り、SNS等すべてひとりで行う場合は、大抵の場合オープン時に認知活動が間に合わず、閑古鳥が鳴いている状態になります。
地元であれば、知人や友人が認知を広めてくれたり、親族関係で広めてもらったりと助けてもらえることが期待できそうですよね。
でも実はこれ、大間違いです。
期待している知人や友人は思っている以上に、あなたの院を広げることに興味はありません。また親族が頑張って広報活動してくれたとしても、そもそもあなたに実績が無いので残念ながら来院にはほぼ繋がりません。
自分で頑張らないといけない認知活動を知人や友人が広めてくれると頼ってしまいやらないと、オープン直後のボーナス期間が終わったと同時に一気に暇になります。
つまり地元であろうとなかろうと、どの道あなたの接骨院に対してエンゲージメント(興味関心)が高い患者さんを集客し続けなければいけない、ということです。
だから知人や友人のツテを頼った安易な開業はオススメしません。
〜ではなぜ私が地元ではない、縁もゆかりも無い土地に開業を決めたのか?〜
それは自分以外に頼って楽して稼ぐのが嫌だったからです。
私は外傷特化型のコンセプト故にケガを見たいんです。帰省して同窓会のタイミングで友人に開業したことを伝えると「俺O脚なんだけど治る?」とか「私腰やってもらいたーい」のように世間が考える接骨院のイメージで相談してくるので、ああ、これは友人でもミスマッチになりそうだと思いました。笑
振り返ってみるとこうだったんで、多分皆さんの友人もこんな反応になります。
だから誰にも頼ることなく、ケガや痛みに困っていそうな地域をリサーチして場所を選んでいったわけです。
千葉県佐倉市を選んだ理由は、以前住んでいた三重県からの移住という形になるので実はどこで開業するかよりも、どこに住むかが先だったんですよね。つまり千葉県という大枠だけ決めてまずは住みやすさや子育て環境重視でいろんな市町村を探していきました。
同時に空きテナントも探し始め、住居環境とテナントの状況を見ながら佐倉市になったという感じです。
テナント候補が絞れた際の近隣競合リサーチや患者さんの来院動線、マーケティング戦略などは別章で解説します。
この章をまとめると、
地元開業であってもやることは同じ。友人や知人を頼らずやることをやるべし。
5、テナント選びのコツ
開業場所の目安もつき、いざテナントを探しますがアパート探しと違って全く想像がつきません。
・家賃はどれくらいが良いのか
・居抜きかスケルトンか
・駐車場の有無は
・初期費用は何ヶ月分必要か
・周辺環境は適しているか
など分からないことも多いと思います。
そこでまずは1人院でやっていこうと考えている先生を想定したテナント探しのポイントをお伝えしたいと思います。
まずはじめに私の院のテナント情報を公開します。
契約前に不動産会社のアプリ(確かアットホーム)での情報をスクショしたものです。
1人院で考えているのであれば大きさは15坪あれば十分だと思います。この大きさでベッド3台、問診室&ベッド1台、運動スペース、受付、待合(4人掛けソファー×2)、バックヤードを設けてるので、個人的にはちょうど良いサイズ感です。
家賃は相場を詳しく知らなかったものの、月の売上想定のうち家賃に回せそうなのは10万〜15万円でしたのでこのテナントはやや予算オーバー。
でもこの物件を即決しました。実はクロスや床材がリノベーションされた物件で、さらにビルトインエアコンや電源タップの数、など初期費用をかなり抑えられそうな物件だったからです。月の固定費が少し予算を超えるだけで、限りある初期投資を抑えられるのはデカいですよね。
家賃でどれくらいを用意できるかは、資金力次第ですのでさまざま考え方ありますが、大体売上の10%程度が好ましいと言われています。
まず目指す数字は月100万円くらいでしょうから、10万円前後が相場だろうなと思います。
駅から徒歩5分以内、住宅街も近い、駐車場も目の前に2台、これは相当立地もいいぞと思いました。駅近のため電車からの来院で商圏が広がり、住宅街で近隣からの徒歩での来院もつながり、駐車場もあることで車での来院も見込める。最高じゃん!
と、ここまでは開業前の想定。
開業後、実際は私の外傷特化コンセプトだと微妙な立地だということに気づきました。
最寄りの京成臼井駅は1日の利用者数は16000人ほどいるんですが、京成線は1本で東京まで出れるアクセスの良さから、駅周辺の住宅街はベッドタウンということに気づきます。リサーチ不足でした。
さらに日中全然人が出歩いてない。
実は高齢者が多い地域で、なおかつデイサービスや高齢者向けの往診サービス等が充実していて、近隣の高齢者層はほとんどが介護保険を使用して午前中は外出しているのでした。
さらにさらに、私の院は外傷やスポーツ外傷を全面に押し出したコンセプトのため高齢者層のウケが悪く近隣の方達の来院がほとんどありませんでした。
つまり午前中がめちゃくちゃ暇なんです。
外傷特化とはいえ、全ての関節治療できるし困っている人に来てもらいたいと思っていましたが、私の場合は認知が広まるまでかなり集客が大変でした…。
開業前後のギャップは必ずありますが、良いところばかり考えずデメリットも含めてリアルに想定しておくのがオススメです。
外傷特化型接骨院の良いところは接骨院が競合にならないところです。
ぶっちゃけその辺の接骨院なんてろくに松葉杖も置いてない、キャストなんか触ったことないようなマッサージ接骨院だらけですから。
ちなみにテナントを契約するための初期費用は結構かかります。
相場は家賃3〜6ヶ月分と言われています。
私の場合は敷金1ヶ月、礼金1ヶ月、保証金1ヶ月の3ヶ月分だったのでリーズナブルな方だと思います。しかも1ヶ月のフリーレント(家賃無し)付き。さらに内装工事中は家賃いらないから営業日からフリーレントで良いよという神対応。
融資前はお金が無いにも関わらず、希望するテナントを抑えておかないといけません。
不動産会社やオーナーさんによっては柔軟に対応してくれるものの、初期費用支払って契約しないとダメというところもあるでしょう。
融資時にテナントの契約書も必要になるので、今はお金が無いことやこれから融資を受けること、などを率直に不動産会社に相談してみると良いと思います。
ちなみにテナントが決まれば内装工事の話も進みますが、私はあまりこだわりが無かったのでこの辺はあまりアドバイスがありません笑
これはなぜかというと内装がオシャレだとケガが治るとか、そういう話ではないからです。内装を気にしないと他院との差別化にならないようなサービスの方ならしょうがないですが、1番安いシンプルなやつで良いです。
無事融資が成功してお金に余裕ができると、業者の口車に乗せられて別にやらなくても良いような内装にお金をかけてしまいます。内装にお金をかけるくらいなら潤沢な運転資金を確保しといたほうが賢明です。
多少コンセプトに沿ったデザインや色の統一感などはこだわっても良いと思いますが、たっぷりお金をかけるのは余裕ができて新規移転する時で十分です。それまでは最低限で我慢しましょう。
この章のまとめは、
・ケガ人になったつもりでテナントを探すべし。慰安的な同業者は眼中に無しでOK。
・内装の良し悪しでケガは治らない。資金の投資先を間違えないように。
6、創業融資とあなたの本気度
この章からは開業時に絶対に必要になってくる「資金=お金」の話です。
お金に困っていない恵まれた環境にいる先生は超少数派ですから、この章では基本的に自己資金カツカツでお金を借りて開業する、という一般的な流れでご紹介します。
まず基本的にどこでお金を借りるかというと、
・日本政策金融公庫
・銀行
・信用金庫
この辺りだと思います。
どこで借りても良いと思いますが、私は日本政策金融公庫(以下、“公庫“とします)で借りました。これはどのコンサルや開業サポートの方もおすすめしてきますが、その理由は公庫が国が運営する組織だからです。
銀行は貸したお金の利子で売り上げを上げている一企業のため、実績の無い創業時にはなかなか貸してもらえなかったり、金利が高いということがあるようです。
その点、公庫は開業することを応援してくれる組織なので、基本的に“お金を貸してあげたい“というスタンスです。金利も安いし、元本の返済を数ヶ月間待ってくれる据置期間もありオープン直後は非常に助かります。
接骨院の開業時は公庫の国民生活事業内の創業融資という枠組みに申し込みます。
上のHPから申し込み時に必要な「創業計画書」のフォーマットを無料でダウンロードできます。まずそこまで気負わずダウンロードして実際に作ってみてください。
そうすることで、自分のアピールポイントや強み、実際にどれくらい収益が必要か、などシミュレーションを立てることが出来ます。
ここで私が実際に公庫に提出した創業計画書を特別に公開します。
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