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情報社会を生き抜くための本48「ネット依存から子どもを守る本」(キム・ティップ・フランク)

「メディアが至るところにある今日、メディアがよいか悪いかを論じるのではなく、メディアを子どもの環境の一部として受け入れなくてはならないだろう。ちょうど空気や飲水のように。(Negative Effects 2011)
大人はメディアやテクノロジーをただ批判するのではなく、子どもたちがどうバランスをとりながらそれらを使っていくかを考えなければならない。子どもに賢いお金の使い方や健康な食生活を教えるように、ゲームやネットといったテクノロジーをどのようにコントロールしていけばよいかを大人は子どもにおしれなければなりません。」
・・・子どもネット依存は親の責任なのかという表題の書き出しである。

私はこの十数年の間に学校でネット依存やゲーム依存の怖さの話をしてきたが、ではどうすればいいのかということに対して明確な答えを伝えることはできないでいた。難しいのだ。身近にも依存傾向のある人は多いが、では的確なアドバイスができているのかというとうまくいっていない。この本からは、そのヒントが与えられる。著者はアメリカのカウンセラーでセラピスト。ドラッグ依存とネット依存は似ているとして、その予防、見分け方、治療のヒントをまとめている。

段階的に書いているのでいきなり対処法を紹介しても、そのまま実践は無理だと思うが第6章に「ネット依存症への対応」が書かれている。チラ見ではなくチラ紹介をすると
「なぜ依存症になったのかを考える」
  子ども自身も大人と同じようにその状態に満足しているわけではない。
「自分を変えるチャンスを与える」
  子どもに自分で問題を改善する前向きなチャンスを与えてみる。
「制限と環境づくり」
  親が勇気をもって指導するべきである。
「まずは自分で取り組む方法(セルフ・ヘルプ)を試す」
  強迫性の行動は、周囲のサポートがあれば自分の努力で変えられる。
「ライフスキルを身につける」
  怒り、ネガティブな考え方、悪いクセ、問題、うつや不安を乗り越えるのが
  ライフスキル。

そして、「専門家に助けを求める」だ。

*独立行政法人国立病院機構 久里浜センター
 046-848-1550
*ネット依存家族会
 メール : maezono.masaki.dc@mail.hosp.go.jp
    FAX : 046-849-7743




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