今ハマっている、『生き方』関連の本です。世の中では、“自己啓発書”とかっていうのかな?
この本は、ギリシアの哲学者ソクラテスが政治的圧力により裁判にかけられた際の言葉を、弟子のプラトン(※ソクラテス自身は弟子を持ったことはないと主張しているけども。)が書き記していたものをわかりやすく解説してくれた本。裁判では、前半で有罪or無罪が決まり、有罪となった後は死刑or罰金が決まる。ソクラテスはその場で一切の嘆願をすることはなく、その姿はまさに泰然自若、威風堂々。哲学者としての生き方を胸を張って主張し続けるソクラテスは裁判の中で言ったという。
痺れました。レビューです。
第1章:ソクラテスの生涯
まずは『徳』に対する考え方が、ソクラテスはその時代の人たちを一線を画していたと。ソクラテスは「魂が優れている」ことに主眼を置き、そのためにどう生きるべきかなどを対話によって知を深めるようにしていた。一方多くの人は「政治的手腕をもつ(≒権力を持つ)」ことに主眼を置き、そのために自身が言っていることが正しいと思わせる方法論をソフィストから学んでいた、みたいなところかな。そして対話の中で無知をさらされてしまった人の中には、一定の権力者もいて、それでソクラテスは恨みを買って裁判に処されていると。
第2章:ソクラテスの弁明
いわゆる『無知の知』ですな。同時に『知らないことを知っている』ことは自身の未熟さを謙虚に見つめ自覚することであり、学び続けるという姿勢を保つ生き方のような気がする。その点で、『無知の知』はすなわち『知ることに熱意を持ち続ける生き方』みたいな意味で素敵だと思った。
有罪か無罪かが決まる場面にもかかわらず、堂々とした、むしろ時に挑発的な弁論もするソクラテス。死に対する考え方や、哲学者としての姿勢を語った17章はマジで圧巻。
→最後の最後まで主張を誇示し続けたソクラテス。死ぬ間際の言葉さえ、なんか深みがある。
ソクラテスの論破シーンから哲学者としての生き方、人間にとっての『徳』の考え方が述べられていた『ソクラテスの弁明』。
やはりこうした本は稲盛和夫さん、渋沢栄一さん、松下幸之助さん、岩田松雄さんの本と本質的なところは共通していて、読んでいて清々しい。
迎えております、“読書の夏”。実はもう1冊、すぐに読みたい本があるのよね。