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病気が確定したときの頭の中

症状から医師が仮説をたてて、検査をする。
薄々その仮説通りだと感じているのだけれど、信じたくない。
何かの間違いであってほしいと頭の中は葛藤する。
で、病名を告げられる。

そして、治療方法と続いていく。
どんな状態であれ、医師は最善を尽くすプランを話してくれるが、
頭の中はパニックです。

30代の頃、癌を経験した。
告知された直後は静かに涙が流れ続けた。
手術で癌の部分は取り除き、
再発なく5年が経過し癌患者という肩書は消えた。
その5年間私の脳には、再発の恐れという感情は微塵もなかった。
なぜか再発しないと信じてた。

自己免疫疾患である膠原病の疑いがありながら、
場所を特定することができず、
治療することなく次の症状が出るまで待つという
地獄の日々が1年も続いた。

膠原病とは自分の免疫が自分を攻撃する病気の総称。
体のどの部分を攻撃するかで更に病名があり、治療法も違う。
その1年の間、インターネットで膠原病の種類を調べては、
筋肉に微かな痛みがあるだけで、多発性筋炎かもと疑い、
お腹が痛いとクローン病かもなどと、
私の頭の中では、次々と勝手な疑いを持ち、氣が落ちていきました。

病は氣から。この昔からの言い伝えからいうと、
その時の私は完全に「氣=エネルギー」をなくしていました。

晩年、母が別の病気で入院した際、膠原病スクリーニング検査で
抗核抗体の数値が高く陽性だったのですが、
特に発症の形跡がなかったこと。
母の頭の中では、「私がそんな病気のわけがないじゃない」
と、強く信じていた。

母は多分心底そう思っていた。
私も癌は再発しないと心底思っていた。
ゆるぎない確信。

なのにね。
膠原病は、症状が出るのを待ってたんだよね。
関節が痛くなるのって、
リウマチじゃなくてもあるのに。

引き寄せちゃったって話。


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