bar余白
この日は007の日ということで、1杯目はウォッカのマティーニをシェイクで。
Three measures of Gordon's; one of vodka; half a measure of Kina Lillet. Shake it over ice, and add a thin slice of lemon peel.
ゴードン3にウォッカ1、キナ・リレを1/2で。氷を入れてシェイク、最後にレモンピールを添える。
銀髪のクールなオーナーバーテンダーが、そっとカウンターにグラスを滑らせる。
「ウオッカのマティーニです」
とはいえ、ダニエル・クレイグのボンドにぞっこんのワタシは、むしろこのマティーニをかっこよく呑むボンドよりは、悪党どもと命懸けの格闘を終えて、血まみれの手や顔をホテルの洗面所で洗い流し、大きめのタンブラーにウイスキーを無造作に注いで飲み干した後、素知らぬ顔でカジノに戻ってゲームを続ける、という「カジノ・ロワイヤル」のシーンがとても好き。
というわけで2杯目はシングルモルトを。
ラフロイグ
このクセの強さ、きわだった個性がいい。
さて、いわゆる「ヴェスパー」という名の件のマティーニ。
「慰めの報酬」では、マティスがボリビアに向かう機内のバーで、彼女の写真とネックレスを眺めて呑んだくれているボンドに
「眠れないのか?何を呑んでるんだ?」と、
ボンドが「さあ・・・何だった?」ととぼけてバーテンダーに顔を向けると、
「ゴードン3にウォッカ1、キナ・リレを1/2で。限りなく冷たくシェイクし、レモンピールを添えたもので・・・6杯目です」
このシーンもボンドの悲哀が感じられてとても好きなのだ。
過ちを認めたものへの敬意を。
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