ガーデニング・ガーディアンズ
アメリカの男にとって庭は己の顔だ。芝生の状態で地位、性格、年収、様々なものがわかる。故に休日の午後は芝刈り機を手に庭を整える。それが俺、ダディ暦7年。ケイシー・ジョブの過ごし方。だが今日はいつもと力の入れ方が違う。
何故なら来週に大統領主催のガーデニングコンテストが控えているからだ。去年は優勝を逃したが今年は一味違う。レッドソックスのフェンウェイ・パーク並みに美しい芝生だ。優勝間違いなし。無論、守り切ればだが。
そう、今日はガーデニングコンテストの前哨戦。ガーデンパージの日。互いの芝生を汚し合い、優勝候補を叩き潰す。それは人殺しも許容される。そうだ、アメリカの男の顔を汚す奴は殺しても構わないのだ。
教会の鐘が鳴る。
俺は芝刈り機を放り、娘のよこしたショットガンを構える。
さっそく間抜け共が俺の庭にやってきた。片手には火炎瓶を持っている。
俺は歓迎の祝砲を鳴らす。火炎瓶が破裂し、間抜けは火達磨になった。
【ロバート・アシュトン編に続く】
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