物流コンペに申し込んだのでコンテナ物語を読んだ
NEDOの衛星×コンテナ物流コンペに先日申し込みました。提案書を申し込みの際に提出して、その内容が良ければ2次審査に進みます。結果は6月に出るとのことなのでひとまず今は一休みしてます。
これを機に、コンテナ物流の勉強してみようと思って、amazonでコンテナ船でヒットして見つけた本を読んでみました。
The BOX。原題かっこいいですね。以下自分サマリー。
海上輸送はコンテナがない時代は、輸送費の半分が船への積み込みと荷上げなど、港での荷役にかかっていた。確かに段ボール、樽、袋、木材、ワイヤの束とか規格がバラバラなのを筋肉でパレットに積むという作業は過酷。しかも砂糖100kgの袋とかやぶいちゃったら大変なので、かなり慎重に運ぶ必要がある。
陸海をコンテナで運送することで、荷役作業を機械・コンピュータに置き換えることを可能にし、輸送効率をかなりあげることに成功した。貨物の破損、盗難リスクもなし。輸送コストも大きく減らした。
コンテナ化は輸送コストの削減だけではなく、「いつ着くか」の輸送の正確性の向上ももたらし、在庫水準を下げられるようになった。つまり、グローバルサプライチェーンでのジャストインタイムができるようになった。
海運輸送コストが小さくなり、資源は人件費の安い国から調達すればよくなった。ただし、コンテナ輸送を小さくするためには、大量の需要(国Aと国Bの貿易でA→Bへの輸送のみでB→Aに輸送したいものがない場合、B→Aに向かうときに空っぽの船で行くことになりとても非効率なので2国間で需給のバランスがある程度取れている必要がある、ということだと思う。)と大型のコンテナ港が必要である。アフリカの国々はそれらを両方持っていないため、人件費最小であってもアジアのような製造の拠点とはなれなかった。
ところでこのお話、当然ながら内陸国は恩恵に預かれません。ゆえに「海に面している」というのは日本にとって幸運だったんだなあとしみじみ。義務教育の地理の教科書で”加工貿易”って義務教育でさらっとでてくるけど、背景にはコンテナ輸送があったんですね。
筆者は、コンテナは単なる港⇔港への輸送手段の”箱”ではなく、港・船・クレーン・倉庫・トラック・鉄道の海運業の要素全てを変える新しい”システム”だったと述べています。これってデジタル化も似てるなあと思いました。私の一意見ですが、既存業務の1パーツをデジタル化するのではなく、ビジネスモデルを根こそぎ変えようとするなかでその手段がたまたまデジタルだったらそれをDXと呼ぶんだと思ってます。DXは中間の人をコンピュータに置き換えるものが多いため、既得権益との闘いが発生しがちなのですが、コンテナ物語でもいろんな中間の人たち(ギャング)との闘いが発生しています。