走り高跳びの学習はこの「計算式」で基準記録を!
前回の「リフレク帳 136」では「走り幅跳び」、前々回の「リフレク帳 135」では、「ハードル学習」において私が用いた基準記録を算出する計算式をお伝えしました。
今回は、5年生以上の「走り高跳び」で用いた計算式をお示しします。
「走り高跳び」では、次の式を用いました。
◆「走り高跳び」での基準記録の出し方と得点方法
個々の基準記録=身長(1cm未満切り捨て)×0.5-10×50mのタイム+110
基準記録+20cm~ …10点
基準記録+10cm~19cm …9点
基準記録+10cm~14cm …8点
基準記録+5cm~9cm …7点
基準記録+0cm~4cm …6点
基準記録-1cm~-5cm …5点
基準記録-6cm~-10cm …4点
基準記録-11cm~-15cm …3点
基準記録-16cm~-20cm …2点
基準記録-21cm~ …1点
「走り高跳び」の教材としての運動特性を考える上で、「走り幅跳び」と比較することによって分かりやすくなります。どちらも助走をして跳躍する運動であることから、次の4つの局面に分けることができます。
①助走、②踏み切り、③空中フォーム、④着地
しかし、「走り幅跳び」が水平に跳躍するのに対し、「走り高跳び」は垂直跳躍を行います。
そのため、「走り幅跳び」に比べて助走でのスピードをある程度コントロールすることや「走り幅跳び」以上の跳躍角度を得るための踏み切りでの特別な動きが必要になります。
「走り高跳び」の動きの特徴が垂直跳躍にあるならば、上に分けた局面において、その中核的な技術は、①助走、②踏み切りに絞られると考え、私は授業を構想しました。
そのように考えると、「走り幅跳び」のように助走スピードを求めるのではなく、①の助走では、ある程度のスピードを出しながらも②での安定した踏み切り姿勢が作れるためのリズムが求められます。3歩のリズムが基本となるでしょう。
ですから、基準記録を算出するのに、50mのタイムは関係がないと思われるかもしれません。
しかし、跳躍には、やはり瞬発力が影響します。
そこで、「走り幅跳び」同様に50m走の記録を基本の数字としています。
50m走が速ければ速いほど、基準記録が上がるようになっています。
身長も加味していることは、説明するまでもないでしょう。
ただし、高身長だからといって必ずしも高く跳べるとは限りませんので、身長×0.5をしています。
+110は、子供の実態から跳べる高さを予想して出した数字ですので、学級の実態に合わせて変えてください。
私が調べた範囲では、「120」に設定している式もありました。
この計算式と得点方法において私が大切にしたことは、どの子供でも得点が取れること、特に比較的高得点が取れるようにしたことです。
個々の子どもが目当てをもって高さを追究できるようにする上で、基準記録を算出して得点化させる方法は有効です。
よろしければ参考にしてください。