この種目名で1年生は育つ!ストーリー仕立てで見通しと目当てをもたせ「やらされる運動会」から脱却!
炎天下、理由も分からずに教師に指示され、動かされ、時には怒鳴られたりした運動会の練習の記憶がある人が多いような気がします。
子供を集団として見るべきではないことを、「ヒント帳29」で書きました。
前回の「ヒント帳31」では、学年全体の子供が目当てをもって主体的にリレー系の競技に取り組めるようにするための工夫を示しました。
今回は前回同様に、子供が主体的に運動会練習に取り組む力を引き出す方法として、1年生での工夫を紹介します。
1年生にとっての運動会
ほとんどの1年生は、「園」での「運動会の経験」をもっていると思います。
だから、「運動会」というものの概念はあるはずです。
だからといって、小学校最初の運動会に自分から進んで取り組めるとは限りません。
むしろ、「この演技・競技をやりなさい」と言われ、やってみるとなかなか楽しいので夢中になってやるという場合が、今の1年生の運動会では、ほとんどだと思います。
その壁を打ち破るには、
「かけっこを始めます。走りたい人集まれ~」
「今から、綱引きをやります。やりたい人は、集まれ~」
という方法が一つのアイデアなのですが、現状の学校体制では難しいでしょう。
そのため、1年生の練習風景を見ていると、リレーで自分の順番が来てバトンを受け取っても、何をしたらいいのか分からずに立ち止まっていたり、徒競走で隣の子の顔を見ながら走ったりという場面に出くわします。
競技の方法やルール、運動のポイントが分からないのです。それは、1年生なら無理のないことです。
ましてや、「本番」では、自分が出場する種目がどれかなのかプログラムを見ても分からず、教師に指示されたり、周りの子の後を付いて行ったりするなど、始めから「受け身」になるのです。
種目名をストーリー仕立てにして
そこで、種目名を工夫します。
運動会でよく見掛ける種目名は、どの学年でも、子供や保護者にとって親しみや楽しさの感じられるものという場合が多いようです。
しかし、それだけではだめです。
子供たちにとって、その種目名を見れば、「自分たちが出場する種目だ!」とすぐに分かり、「その種目のポイント、目当てはこれだ。これを頑張ろう!」と目当ての確認ができるものにするとよいのです。
特に1年生は、そうするべきです。
そのために、種目名を「ストーリー仕立て」にします。
さらに、学年の「合言葉」=学年目標と重ねます。
例えば、「徒競走」「玉入れ」「学級対抗全員リレー」の三種目に出場するとします。
このように名付けます。
「名は体を表す」などと言いますが、種目名一つでも、子供の運動会への取り組み方が変わります。
ぜひ、試してみてください。