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ダイラケ漫才から新作落語!?桂南光師『なさぬ仲』①現代版
ある日、桂南光師匠から1通のメールが届きました。
「ダイマル・ラケット師匠の『家庭混戦期』という漫才がありますが、こんな風な噺はできないかな?と思っています」
いつか南光師匠の落語を書きたいな♫
と漠然と思ってはいたけどほんまに機会が来たやーん♫
嬉&踊。
正式なご依頼というわけではないけれど
これはしかと形にしなければなりません。
しかし。
ダイラケ師匠の「家庭混戦記」、むかーし聞いたことあるけど、その名のとおりすごく混戦する話しで、途中から何が何だかわからんようになってしまった記憶が。
あのややこしい話しを落語に?
ムリかも。
私の中のチキンが呟く。
いや、お題をいただいて「ムズすぎる」と逃げてしまっては演芸作家の名折れである。
書かせていただきます。
と、まずは
ダイラケ師匠の漫才をチェック。
分析、解体、再構築、全集中。
書けました。
自分でも思った以上にスルッと書けました。
いつもは途中で迷走すること多々ありなのですが、今回はゴールに向かう道が見えていて、そこを目指して粛々と文字を打つ。そんなイメージでした。
南光師匠に台本をお送りするとすぐに電話が。
あいにく出ることができなかったのですが留守番電話に約1分半のメッセージが残されているではありませんか。
心臓バクレツしそうになりながら再生ポチ。
「桂南光です」
ドキドキ。
「台本『なさぬ仲』をありがとうございます」
ドキドキドキ。
「読ませていたいただきました」
ドキドキドキドキ。
「とても面白いです」
ひゃっはぁ。
最初に演者さんから「面白い」の一言をいただけると、あとあとナントカ大丈夫!!というのが私の体感です。
「ただ」
はい。
「僕の口調で、この現代の噺がやれるのかな?と少し不安もあります」
は、はい。
「でも、やってみたいと思います」
ひゃっはぁ、再び。
晴れて南光師匠からの「OK」をいただくことができました!!できたんですよね?
と、あとから何度も留守電を確認。
そして最後に
「ダイラケ先生のあの漫才からこの噺を作られた石山さんはすごいと思います」
って♫
って♫
と、ここはさらに激しく何度も留守電を確認。
テープなら擦り切れてるぜ。
おべんちゃらは一切言わない、でお馴染みの桂南光師匠からすごいと言っていただきました。
これ全世界に自慢してええよね(←まさに今しておる)
というワケで今回は、
南光師匠にお墨付きをいただいた新作落語台本『なさぬ仲』を全編公開いたします。
タイトルに
①「現代版」としているのは、実は後日、時代を変えて書き直した②「江戸時代版」があるからで、下記に演(想定)としてあるのは、こちらは実際の口演台本ではないからです。
そのあたりのエピソードはまた後日、実際に口演された「江戸時代版」の台本とともにご紹介いたします。
まずは今回の『なさぬ仲』①現代版からお楽しみくださいませ。
あ!!
その前に、ダイラケ師匠の「家庭混戦記」をお聞きになってからぜひともに……。
新作落語台本
『なさぬ仲』(現代版)
演(想定):桂南光
作:石山悦子
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